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 NRF 2023では人工知能(AI)や拡張現実(AR)、ロボット工学といった最新技術の展示を対象とした「イノベーションラボ」が注目を集めた。中でも目を引いたのが仮想空間を使った買い物を実現するメタバース関連の技術だ。実店舗とオンラインの双方を結びつける、あるいは機能拡張する技術として着実に成長を遂げている。

 イスラエルのByondXR(ビヨンドエックスアール)はメタバース上でのバーチャルストア展開を支援するサービスを展示した。小売事業者は実店舗のようにデザインされたバーチャルストア内に商品の3次元(3D)モデルを出品でき、消費者は気になる商品の見た目や価格などの詳細を見ながら買い物できる。

ByondXRはメタバース上のバーチャルストア展開を支援している
ByondXRはメタバース上のバーチャルストア展開を支援している
(写真:日経クロステック)
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 ノアム・レヴァヴィCEO(最高経営責任者)は同社の強みを「社内にデザインチームを備えること」だと話す。各種のメタバースプラットフォーム向けに変換可能な形で商品の3Dモデルやブランドイメージを体現したバーチャルストアを作ったり、クーポンを受け取れるゲーム機能を付けたりできるのだという。

 バーチャルストアを使えば、小売事業者は家賃や内装といった実店舗の維持運営にかかるコストを抑えられるほか、実店舗がない地域の客にも商品をアピールする機会が得られる。同社のメタバース技術はアルマーニやランコムといった著名ブランドからP&Gやユニリーバといった家庭用品まで幅広い導入実績があるという。