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Pythonのプログラミング環境には複数の選択肢がある。この特集では、3つの代表的なPythonプログラミング環境を取り上げ、それぞれの特徴や構築方法などを解説する。

 Pythonのプログラミング環境にはいろいろな選択肢があります。目的に応じて環境を使い分けることで、プログラムをスムーズに開発できます。おすすめなのは、いくつかの環境を実際に使ってみて、各環境の使い方や特性を知っておくことです。

 そこで本稿では、3つの代表的なPythonプログラミング環境を解説します。「CPython」と「Anaconda」と「Google Colaboratory」(以下、Colab)です。

 3つそれぞれについて、環境を構築する際のポイントや、環境をカスタマイズする方法を説明します。本稿を通じて、ぜひ気に入ったプログラミング環境を見つけてください。

 なお、本稿ではWindows 11/10のパソコンを使うことを前提として解説を進めます。

3つのプログラミング環境の特徴を知る

 CPython、Anaconda、Colabという3つのプログラミング環境の特徴を表1に示します。各環境について順番に説明していきます。

表1●Pythonのプログラミング環境の特徴
表1●Pythonのプログラミング環境の特徴
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公式のPython処理系「CPython」

 「CPython」(シー・パイソン)は、Pythonの公式の「処理系」です。処理系(言語処理系)とは、プログラミング言語で書かれたプログラムを実行するためのソフトウエアのことです。Pythonのプログラムを実行する“本体”だと言えるでしょう。

 Pythonの処理系はCPython以外にも複数ありますが、プログラミング言語のC(シー)を使って開発されている処理系がCPythonです。CPythonは、Pythonの公式Webサイトで配布されています。

 CPythonは後述するAnacondaやColabにも含まれていますが、最新バージョンではないことがあります。一方、公式Webサイトから入手すると、デフォルトで最新のCPythonをインストールできます。Pythonの最新機能をいち早く使ってみたい場合は、公式WebサイトからCPythonを入手するのがおすすめです。なお、CPythonは無料で利用できます。