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Pythonのプログラミング環境には複数の選択肢がある。この特集では、3つの代表的なPythonプログラミング環境を取り上げ、それぞれの特徴や構築方法などを解説する。

 CPython、Anaconda、Colabの環境をそれぞれ構築しましょう。インストールや動作確認について、つまずきやすいポイントを中心に解説します。

CPythonのインストールと動作確認

 CPythonを入手してインストールしましょう。以下のURLから、Pythonの公式Webサイトにあるダウンロードページにアクセスします。

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 本稿の執筆時点(2022年10月)におけるPythonのバージョンは「3.10.6」でしたが、Pythonは随時バージョンアップされています。以下の説明で「3.10.6」の部分は、皆さんがダウンロードする時点のバージョンに読み替えてください。

 ダウンロードページの「Download Python 3.10.6」ボタンをクリックして、CPythonのインストーラーをダウンロードします。ダウンロードしたファイルは、本稿執筆時点では「python-3.10.6-amd64.exe」というファイル名でした。

 ダウンロードしたファイルを実行してインストーラーを起動すると、図2のような起動画面が表示されます。この起動画面では、「Add Python 3.10 to PATH」(Python 3.10をPATHに追加する)を忘れずにチェックしてから、「Install Now」(今すぐインストール)をクリックしてください。「PATH」(パス)については後述します。

図2●CPythonのインストーラーの起動画面
図2●CPythonのインストーラーの起動画面
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 もし「ユーザーアカウント制御」というダイアログが表示され、「Python 3.10」について「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と確認されたら、「はい」をクリックします。

 インストールが無事に完了すると「Setup was successful」(セットアップに成功)と表示されるので、「Close」をクリックして終了します。

 CPythonが正しくインストールできたかどうかを確認しましょう。Windowsのスタートメニューで「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」をクリックして、コマンドプロンプトを起動します。

 「python」コマンドを使って、インストールしたPythonのバージョンを確認します。コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーで実行してください。

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 「python -V」と入力する際には、「V」(ブイ)を大文字で入力することに注意してください。「-V」はpythonコマンドのオプションで、これを指定するとPythonのバージョンを表示します。

 コマンドの実行結果は図3のようになります。インストールしたPythonのバージョンが表示されれば成功です。ここでは「Python 3.10.6」と表示されています。

図3●コマンドプロンプトによるCPythonの動作確認
図3●コマンドプロンプトによるCPythonの動作確認
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 もし、「python -V」を実行しても正しくバージョンが表示されない場合は、CPythonを再インストールしてみてください。Windowsの「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」を開き、アプリの一覧から「python」を検索して、「Python 3.10.6」をアンインストールします。その後、再び前述のインストーラーを実行します。

 特に「'python'は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチファイルとして認識されていません。」というエラーが表示される場合は、インストール時に「Add Python 3.10 to PATH」のチェックを忘れている可能性があります。忘れずにチェックして、インストールしてください。