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 ここでは、記入例やよくある質問の例を交えながら、実務経験証明書を記入する際のポイントや留意点を示します。表2.2表2.5は、「道路」の科目をイメージした記入例です。

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(1)業務経歴の行はすべて埋める

 経験豊富な人は行数が少なくて書き切れないかもしれませんが、少ない人もこの行数を最大限に活用して自身の技術士としての実務能力を分かりやすくアピールしなければなりません。空欄が多いということは、技術士としての実務能力が低いと自ら宣言しているようなものです。

 例えば、建設コンサルタント会社で設計業務を担当している人の場合、単に「各種構造物の計画、設計」と書いてしまえば、同種の設計業務を何年間かまとめることになり、1つの行で終わってしまいます。しかし、「地下水位の高い粘性地盤での土留め壁の設計」とか「圧密が予測される軟弱地盤上でのボックスカルバートの設計」というように、一つひとつの職務内容を記述すれば、すべての行を埋められます。業務経歴の欄は5行しかありませんので必ず、すべて埋めてください。

 業務経歴が多くて集約する必要がある場合は、1行目(最も古い業務)にまとめてください。最近の業務や技術的な課題があるような業務は、1業務につき1行を使うようにしてください。

 海外での業務経歴についても、技術士にふさわしい業務であれば盛り込み、豊富な経験があることをアピールするとよいでしょう。

(2)地位・職名欄は責任ある立場をアピール

 地位・職名欄は、技術士にふさわしい業務を行ったときの地位や職名を書きます。職務を進めるうえで問題解決能力などを発揮できる立場や役割である方がよいでしょう。建設関係では管理技術者や照査技術者、監理技術者、現場代理人、主任技術者などの責任ある立場が該当します。当然、企業組織において部長や課長、係長などの立場で上記の能力を発揮していればなんら問題はありません。

(3)従事期間(業務経験年数)は切れ目なく

 業務経歴については、従事期間を切れ目なく記入することをお勧めします。業務経歴の欄が5行しかないので、技術士にふさわしい業務を実施した時期が離れてしまう可能性があります。空いた期間の業務内容について、口頭試験で問われるかもしれないので、できるだけ切れ目なく記入する方がよいでしょう。一方、一定期間に複数の業務を兼務したり、期間をまたいで従事したりすることがあるかもしれませんが、この場合には記入する代表的な業務の中に含んでいるという解釈で従事期間とします。