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 選択科目によって多少異なりますが、論文の構成や記述内容にはいくつかのパターンがあります。そこで、この4―2節では2022年度の出題例を挙げながら、解答する枚数や題意が異なるII―1とII―2、IIIの3つの論文について、構成や記述内容をそれぞれ説明します。これらのパターンに沿って論述できるように練習すれば、筆記試験の当日には論文の構成を短時間で組み立てられるようになるはずです。

(1)選択科目II―1の論文

 「専門知識」が問われるII―1の論文では、答案用紙1枚に2、3の見出しを付けて記述します。文章だけが1枚続くのは読みにくく、試験官が内容を把握しづらいからです。見出しは可能な限り、出題文に書かれている用語を使います。このような構成なら受験者自身が書きやすいだけでなく、何がどこに書いてあるかが明確で、試験官も採点しやすくなります。

 この論文で求められているのは専門知識ですので、問われていることをそのまま記述します。見出しを付け、それに沿って知識を羅列します。文章表現の巧拙よりも内容的に網羅されていることが重要です。

 中には「留意点を2つ挙げて説明せよ」といったように、見出しの文言を自分で考えて付けなければならない出題もあります。このような場合も含め、以下では代表的な2つのパターンと論文構成例を示します。いずれのパターンにも対応できるようにしてください。

パターン1 出題文の内容から解答を大きく2つに分ける場合

 出題文が「また」などの接続詞で大きく2つに分かれる場合は、2つの大見出しを設けて答案用紙を2つに分けます。一般的には1つの見出しにつき0.5枚ずつ書けばよいですが、内容の重要性に応じて記述量の割合を変えても構いません。出題内容がさらに細分化されていれば、小見出しを使って分けることで、分かりやすい構成になります。以下の道路の出題では、縦断勾配設定の考え方と特例値を用いる場合に配慮すべき留意点との2つに分けてそれぞれ記述します。見出しには出題文の用語を入れましょう。

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パターン2 出題文の指示に従って3つ以上に分ける場合

 出題文の指示によって答案を3つ以上に分ける場合は、それぞれに見出しを付けて答案用紙を分割します。先のパターン1で説明した構成と同様に、大見出しには、できるだけ出題文で使われている表現や用語を用います。小見出しなどには、以下の施工計画のように、自分で考えた解答の一部を記述する場合もあります。

 一般的には、それぞれの見出しで答案を等分にして記述するのが望ましいです。ただし、内容の重要性に応じて記述量の割合を変えても構いません。3等分する場合は、1つの見出しに対して7行ずつ書けば済みます。7行というと、文にしておおむね2つか3つに相当する量です。

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