(1)過去7年間の出題傾向
施工計画は品質や工程、安全、原価、計測など施工全般に関わる管理を中心に、調査・計画や入札・契約、防災・減災、環境関連の分野からも出題されています。以下に示す表は、2016年度から22年度までの7年間の出題概要です。22年度のII―1では例年、安全管理に関する問題が出ています。また、コンクートの品質管理に関する問題は、13年度から毎年のように取り上げられています。品質管理と安全管理は、施工計画で必須の分野です。23年度もしっかり押さえておきましょう。
II―2は、設問内容が毎年変化しています。21年度からは、模式図から細かい条件を読み取る能力が要求され、22年度はさらに、マネジメント力やリーダーシップの観点も問われています。施工現場の与条件も細かく設定されるようになってきました。23年度も新しい設問が出る可能性があり、実践的な応用能力が試されるかもしれません。ただし、出題レベルは実務経験が豊富な受験者であれば十分に解答できる水準です。論文の骨子を組み立てる訓練を中心に学習を進めてください。3ページに掲載したII―2の解答のポイントを参考に、題意からイメージできる検討事項や施工管理の方法、留意点を論述できるよう準備しておきましょう。
問題解決能力と課題遂行能力を問うIIIの出題では、3つの課題や新たなリスクの記述が求められおり、21年度から設問内容に大きな変化はありませんでした。ただし、解決策には「専門技術を踏まえた」という条件が追加されています。それでも、焦る必要はありません。実務の知見に基づいて解答を書けば、専門技術の話題は自然と出てくるはずです。
施工計画の科目では、建設産業における時事的なテーマと絡ませた出題が増えています。国土交通政策などを押さえておく点は、必須科目での対策と同じです。ただ異なる点もあります。必須科目では「建設部門全般の視点」で論述するのに対し、選択科目のIIIでは「施工計画」に着目して論述します。つまり、一般論ではなく、施工段階を軸に論述できるように要点を整理しておく必要があるのです。具体的には、4ページに示したIIIの解答のポイントを参照してください。