(1)過去7年間の出題傾向
建設環境には、騒音や振動などの「生活環境」と生態系などを対象とした「自然環境」の大きく2つの分野があり、さらにそれぞれ計画と設計、施工に分かれます。以下の表は、2016年度から22年度までの7年間の出題概要です。II―1は4問から1問を、II―2とIIIは2問からそれぞれ1問を選択する形です。例年、生活環境と自然環境の両分野に配慮して出題されています。IIやIIIの出題範囲を確認しておいてください。
計画分野からの出題が多い傾向にありますので、23年度もこの分野の勉強は外せません。例えば毎年度、出題されている環境影響評価に関連するテーマです。23年度も出題される可能性があることから、過去の出題内容を基に第一種の建設事業をいくつか想定し、環境に与える影響や項目、調査や予測、評価の手法、保全対策について生態系などの配慮事項も交えて整理しておくとよいでしょう。時流を踏まえた出題も増えてきたことから、国土交通白書や国土交通省のウェブサイトを中心に最新の情報を収集する必要があります。これは計画や設計だけでなく、施工の分野も同様です。
さらに、生物多様性に関連する問題も頻出しています。22年度のII―1―3は「生態系を活用した防災・減災(Eco―DRR)」がテーマでした。III―1では、生態系ネットワークの現状について問われています。まちづくり関連の問題もよく出題されており、23年度に押さえておくべきテーマの一つです。建設リサイクルや廃棄物もよく取り上げられています。これらは環境影響評価とともに今後、ますます重視すべきテーマと言えます。