2023年度の技術士第二次試験の実施方針が固まった。前年度までと方針は変わらず、試験問題の傾向に大きな変化はなさそうだ。23年度の技術士第二次試験の概要を整理するとともに、出題が予想される領域、キーワードを活用した学習方法などをまとめた。(日経クロステック)
1.試験概要
文部科学省技術士分科会試験部会が発表した「技術士第二次試験実施大綱」と日本技術士会が公表した「令和5年度 技術士第二次試験の実施について」を見ると、2023年度の技術士第二次試験は22年度と同様の内容で実施される見通しだ。
まずは以下に23年度の試験概要などをまとめる。
(1)必須科目I
試験時間は2時間で、2問出題される。このうち1問を選んで600字詰めの答案用紙3枚に解答する。建設部門共通の専門知識と応用能力、問題解決能力、課題遂行能力が問われる。この科目で60%得点できないと技術士第二次試験には合格できない。ただ、必須科目が不合格の場合でも、選択科目の答案は採点してもらえる。
(2)選択科目II
選択科目II-1は受験する科目の専門知識を問う内容だ。4問から1問を選んで答案用紙1枚に記述する。
一方、選択科目II-2は受験する科目の応用能力を問う内容で、設問に具体的な条件が付いているケースが多い。出題された2問から1問を選択して答案用紙2枚に解答する。
(3)選択科目III
受験する科目の問題解決能力および課題遂行能力を問う内容だ。出題された2問から1問を選んで答案用紙3枚に記す。
選択科目の試験時間は前述の選択科目IIと合わせて3.5時間。試験の途中に休憩はない。IIとIIIを合わせて60%得点できないと、不合格となる。
(4)口頭試験
筆記試験の合格者を対象とした試験だ。口頭による試問形式で、技術士としての「実務能力」と「適格性」が、それぞれ問われる。前者は「コミュニケーション、リーダーシップ」と「評価、マネジメント」、後者は「技術者倫理」と「継続研さん」という項目で構成されている。
口頭試験は受験を申し込んだ際に提出した実務経験証明書などに書かれた内容を参考にして進められる。この点を意識して実務経験証明書を記述しておかなければならない。詳細は、次回の連載記事で取り上げる「受験申込書の書き方」で紹介する。