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非対応パソコンは絶対に11にアップグレードできない?

 Windows 11がリリースされてから1年以上たつが、10を使い続けている読者は意外と多い。最新の読者調査によると「11にアップグレードできない機種を使っている」という声が2割程度。無償アップグレードしたいが非対応なので、泣く泣く10のままという人が一定数いるのが実態だ(図1)。

正攻法だと要件を満たしていないとダメ
正攻法だと要件を満たしていないとダメ
図1 使っているパソコンをWindows 11にアップグレードできるか知りたいときは、「PC正常性チェック」アプリを使う。アプリを起動して「今すぐチェック」を押すとハードウエア要件などを満たしているかチェックされ、アップグレードの可否がわかる。要件を満たしていないと判定された場合は、残念ながら正攻法でのアップグレードはできない
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 11は必要スペックが厳しい。その最たるものが「仮想化ベースセキュリティ」への対応だ。これを実現するには、CPUはおおよそ5年以内のモデル、かつTPM 2.0への対応が必要になる(図2)。この2点がネックとなるケースが大半を占める。

5年以上前のパソコンだと厳しい
5年以上前のパソコンだと厳しい
図2 11のハードウエア要件は上の通り。障壁となるのはCPUと暗号化技術のTPM(Trusted Platform Module)の2つだ。それらが11のセキュリティ機能である「仮想化ベースセキュリティ」に対応する必要がある。5年以上前のCPUは基本的に非対応だ[注1]
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[注1]11に対応しているCPUの詳細は次のURLで確認できる https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/design/minimum/windows-processor-requirements

 しかし、これは正攻法での話。実はCPUとTPM 2.0の要件を満たしていない機種でもアップグレードする裏ワザがあるのだ。これはマイクロソフトが公式に公開している手法。ただし、実行するとサポート対象外になるので自己責任となる。

 裏ワザではアップグレード審査の際に、TPM 2.0とCPUのチェックを回避する。大まかな手順は図3の通りで、TPMなどのチェック回避はレジストリ編集で実現する。これでTPM 1.2を満たしていればアップグレードが可能となる。正攻法のアップグレード手順と同様に個人データやアプリは引き継げる。具体的な手順は「Windows 11をインストールする方法 site:microsoft.com」などと入力してネット検索すればすぐ見つかる。

非対応でもアップグレードする裏ワザ
非対応でもアップグレードする裏ワザ
図3 非対応パソコンをアップグレードするにはCPUとTPM 2.0のチェックを回避するためにレジストリを編集する。作成したインストールメディアから11をインストールする
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