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自作パソコンはメーカー製より割安で高性能?

 パソコンを選ぶ際、「自作のほうが安くて高性能」と上級者から勧められた経験はないだろうか。これは、正解でもあり不正解でもある。20世紀の終わりごろは、自作パソコンはかなり安かった。「台湾まで出向いて現地で自作すると安い」といった猛者もいたほどだ。だが今は違う。ミドルクラス以下であれば、メーカー製も自作も価格はほぼ同じ。パーツ構成次第では、メーカー製のほうが安いこともある(図1図2)。

ほぼ同スペックで自作してみると…
ほぼ同スペックで自作してみると…
図1 ミドルクラスのデスクトップパソコン「mouse DT5」(マウスコンピューター)とほぼ同じスペックのパソコンを自作するといくらになるか、見積もってみた
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ミドルクラスで同スペックなら値段はほぼ同じ
ミドルクラスで同スペックなら値段はほぼ同じ
図2 苦労して低価格のパーツを集めないと、メーカー製より安くならない。安くなったとしてもわずかな差だ
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 自作パソコンには自分で好きなパーツを選べる利点がある。半面、自分で組み立てる必要があり、面倒なOSのインストールも必要(図3)。また、メーカー製と比べるとサポートや保証を受けにくく、致命的なトラブルも自力で解決しなければならない。こうした手間を考えると、ほぼ同じ値段ならサポートに頼れるメーカー製パソコンが割安ともいえる。

組み立ての手間がかかるうえに自己責任
組み立ての手間がかかるうえに自己責任
図3 自作は組み立てる手間やパーツを壊すリスクもあるし、OSのインストールも必要。慣れた人でも1時間以上はかかる。さらに不良品の保証はパーツ単位なので、トラブルの原因は自分で突き止める
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 ただ、上級者が好むハイエンド構成のパソコンでは、大幅に安くなることがある(図4)。ただそれは、パーツ選びに喜びを感じ、組み立ても苦にせずトラブルも自力で解決できる人の話。パソコン上級者が「自作パソコンのほうが安くて高性能」と言う理由はそこにある。初心者は決して惑わされてはならない。

ハイスペックだと10万円以上も安いことも
ハイスペックだと10万円以上も安いことも
図4 マウスコンピューターのハイエンドデスクトップ機とほぼ同じ構成で自作パソコンを見積ったところ10万円以上も安くなった
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