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新しいType-C端子はType-Aよりも絶対高速?

 USB Type-C端子は2017年ごろからパソコンや周辺機器で使われるようになった。だが「新しいから無条件に速い」というわけではなく、Type-A端子よりも遅いType-C端子もある。一部例外はあるが、AやCといった端子の形状と、2.0、3.2といったUSBの規格は基本的に無関係だ。

 Type-AとType-Cで利用できるUSB規格を図1にまとめた。2.0と3.2 Gen 1、同Gen 2はType-AとCの両方で使える。同じ規格なら端子がAでもCでも転送速度に違いはない。

低速なUSB 2.0のType-C端子もある
低速なUSB 2.0のType-C端子もある
図1 Type-AおよびType-Cの端子とUSB規格の組み合わせをまとめた。Type-CはUSB 2.0以降のすべての規格が使えてUSB4にも対応する。一方のType-Aは2.0から3.2 Gen 2までに対応し、3.2 Gen 2×2とUSB4の端子は存在しない[注]
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[注]業界団体のUSB-IFは2022年9月にUSB規格の新表記を公開した。新表記はUSB 3.2 Gen 1が「USB 5Gbps」、USB 3.2 Gen 2が「USB 10Gbps」、USB 3.2 Gen 2×2が「USB 20Gbps」、USB4が「USB 40Gbps」。USB 2.0は変更なしで継続

 旧世代の2.0規格がType-Cの端子として現役なのは電力供給または映像の入出力が目的だ(図2)。データ転送の必要がないなら2.0規格のほうが安価で作れる。

図2 USB 2.0のType-Cケーブルは、データ通信ではなく機器の給電(充電)用に使われている。USB PD対応のモバイルバッテリーでパソコンを充電するときは、ケーブルがPD対応であることが一番重要であり、2.0でもかまわない
図2 USB 2.0のType-Cケーブルは、データ通信ではなく機器の給電(充電)用に使われている。USB PD対応のモバイルバッテリーでパソコンを充電するときは、ケーブルがPD対応であることが一番重要であり、2.0でもかまわない
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終了処理をせずにUSBメモリーを引き抜いても壊れない?

 使い終わったUSBメモリーや外付けHDDを取り外すときは必ず「終了処理」をすべし……。ひと昔前は鉄則だったが、今は一概にそうとはいえない。10や11は外部ストレージへの「遅延書き込み」が既定で無効だからだ(図1)。遅延書き込みとは水面下で遅れて書き込みを行うことで、書き込み終了までの体感速度を上げる仕組み。

遅延書き込みは標準で無効に
遅延書き込みは標準で無効に
図1 Windows 10や11では遅延書き込み(書き込みキャッシュ)の機能が標準で無効化されている。データを読み書き中でなければ、終了処理をせずにUSBメモリーを取り外してもデータが壊れることはない
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 ただ、USBメモリー内のアプリや書類を開いているときは要注意。いきなり抜くことでアプリの設定ファイルや書類などが壊れる危険がある。アプリがどのタイミングで読み書きするのかを把握するのは難しい。特に最近のUSBメモリーはアクセスランプがないので厄介だ。石橋をたたいて渡るなら、終了処理をしたほうがよいだろう(図2)。

図2 USBメモリーからポータブル型アプリを起動しているときや、USBメモリー内の文書を開いているときなど、読み書きしている最中なのかわかりにくい場面も多い。不明な場合は終了処理をしてから取り外したほうが安全だ(1)~(3)
図2 USBメモリーからポータブル型アプリを起動しているときや、USBメモリー内の文書を開いているときなど、読み書きしている最中なのかわかりにくい場面も多い。不明な場合は終了処理をしてから取り外したほうが安全だ(1)~(3)
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