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最近のバッテリーは劣化せずほぼ永久に使える?

 パソコンやスマホのバッテリーは日進月歩だが、最新製品であっても充電を繰り返していると徐々に劣化する。劣化が進行すると容量が減ってしまう。パソコンやスマホで動作時間が短くなったと感じたら、バッテリーの劣化を疑ってみる。一般に100%の充電を1回分と数えると、1000回の充電で容量は半分程度まで落ち込む(図1)。

充電回数が増えると徐々に劣化
充電回数が増えると徐々に劣化
図1 リチウムイオンバッテリーは充電回数が多くなると劣化し、満充電ができなくなる。グラフは徐々に容量(100%が満充電)が減っていくイメージを示した。充電回数1000回で容量が半分程度まで落ち込むこともある
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 劣化の度合いは利用環境によって変わってくる。現在主流のリチウムイオンバッテリーの場合、満充電や過放電の状態で保管すると通常よりも早く劣化する。また、極端な高温や低温での利用は大幅な劣化を招きやすい(図2)。パソコンやスマホを長く使いたければ、劣化しやすい状態をなるべく避ける。

バッテリーの寿命を延ばすポイント
バッテリーの寿命を延ばすポイント
図2 バッテリー残量が100%または0%の状態が続くと劣化しやすい。また、高温や低温の環境だとバッテリーの性能が低下して劣化することもある
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 バッテリーが劣化した場合は交換となる。最近のパソコンの場合、バッテリー交換は修理扱いとなり、費用はメーカーにもよるが2万~3万円程度だ。

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電源のつなぎっぱなしでバッテリーが劣化する?

 ノートパソコンやスマホは電源アダプターをつなぎっぱなしで使うと、バッテリーが劣化するといわれる。これは、電源アダプターをつなぎっぱなしにすると、バッテリー残量が常に100%を保ってしまうからだ。満充電(100%)でなければ問題はない。パソコンに付属のユーティリティなどを使い、満充電のしきい値を80%などにしておけば、つなぎっぱなしでも問題はない(図1)。

残量100%の維持や高温が劣化の原因
残量100%の維持や高温が劣化の原因
図1 電源をつなぎっぱなしで使うとバッテリー残量が常に100%となり、利用時に高温となりやすいため劣化しやすい。ただし、しきい値を80%にするなど対策をしておけば問題はない
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100%で充電し続けると過充電で故障する?

 バッテリーの容量や充電はパソコンやスマホのファームウエアが管理する。現在のバッテリー残量を把握しており、それに応じて充電する仕組みだ。バッテリーを充電して100%になると、充電が自動停止して過充電を防ぐ(図1)。ファームウエアの不具合がない限り、バッテリーを充電し続ける状況は発生しない。

ファームウエアが満充電を検知する
ファームウエアが満充電を検知する
図1 満充電を続けると劣化の原因になるが、電源をつなぎっぱなしにしても過充電にはならない。ノートパソコンやスマホのバッテリーはファームウエア(内蔵プログラム)で管理されており、100%になると充電は自動的に止まる。また、0%まで使い切っても完全放電はしない
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