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最新ルーターに買い替えても劇的に速くはならない?

 最新ルーターを導入しても、インターネットの通信速度が劇的に速くなるとは限らない(図1)。ほかにも制約要因があるからだ。

最新機種はこんなに速い
最新機種はこんなに速い
図1 2022年9月発売のWi-Fiルーターの例。この製品の最大通信速度は4804Mbps。しかし、それはあくまで理論上の最大値。しかも、パソコンやスマホでの実際の通信速度はほかの要因にも左右されるため、それほど速くならないことも
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 まず、インターネットの契約回線が遅いと、通信速度はそこで頭打ちになる。光回線の登場初期に契約した場合は要注意だ(図2)。

インターネット回線が遅いと速くならない
インターネット回線が遅いと速くならない
図2 そもそもインターネット回線が遅いと、通信速度は速くならない。現在の光回線は最大通信速度1Gbpsが主流だが、初期の戸建て向け回線や、マンションの各部屋までがメタル回線の場合は遅い
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 Wi-Fi子機が遅いと、それもボトルネックになる。Wi-Fiは親機と子機の遅いほうの通信規格で通信するからだ(図3)。パソコンは比較的新しい機種でも最大433Mbpsのケースがある(図4)。スマホの対応規格は製品次第だ(図5)。

Wi-Fi子機が遅い場合も速くならない
Wi-Fi子機が遅い場合も速くならない
図3 Wi-Fiは親機と子機が対応する規格のうち、遅いほうの規格で通信する。このため、高性能のWi-Fiルーターを導入しても、パソコンやスマホが内蔵する子機以上の速度は出ない(図の最大値は一般的なパソコンに搭載されている子機の上限)
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パソコンはいつからWi-Fi 5や6に対応?
パソコンはいつからWi-Fi 5や6に対応?
図4 大手パソコンメーカーの市販モデルでどの時期にどの規格のWi-Fi子機が搭載されていたかを調べた。Wi-Fi 5に対応していても、子機の性能はピンキリなので注意しよう
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スマホはいつからWi-Fi 5や6に対応?
スマホはいつからWi-Fi 5や6に対応?
図5 スマホはどうか。iOSとAndroidの代表的機種を調べた。どちらも6年前にはWi-Fi 5(11ac:最大866Mbps)に対応している。最近の機種はWi-Fi 6(11ax:最大1.2Gbps)対応だ
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