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ウェブサイトにアクセスしただけであなたの住所がばれる?
プロバイダーからルーターに割り当てられるIPアドレスは「インターネット上の住所」と説明されることが多い。ここから自分の住所がわかるのではないかと不安に思う人がいるかもしれないが、それは杞憂(きゆう)だ。
たまたま訪れたウェブサイトにどんなユーザー情報が渡されるのか確認できるウェブサービスにアクセスしてみよう(図1)。IPアドレスだけはばっちり伝わっている。
IPアドレスは隠せない
図1 ウェブサイト側から見えるユーザー情報を確認できるウェブサービスがある。アクセスしてみると、IPアドレスはIPv4、IPv6ともに丸見えになっている
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しかし、ウェブサイト側がわかるのはここまで。住所などの個人情報とIPアドレスをひも付けられるのはプロバイダー(ISP)だけ(図2)。法的根拠のある開示請求がない限り、外部に漏れることはない。
IPアドレスはインターネット上の住所
図2 まずは大まかなイメージをつかもう。IPアドレスはインターネット上の住所で、プロバイダー(ISP)から付与される。ウェブページを見るときは、ウェブブラウザーが当該URLのウェブサーバーにリクエストを出し、サーバー側はリクエスト元のIPアドレスにデータを送信する
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なお、IPアドレスの割り当て方法は、IPv4とIPv6で異なる。IPv4の場合、インターネット上で重複しない「グローバルIPアドレス」がWi-Fiルーターに割り当てられる。そして、Wi-Fiルーターが家庭内だけで通用するプライベートIPアドレスを各端末に割り当てて情報の交通整理をする(図3)。
プロバイダーから割り当てられるグローバルIPアドレスは1つ(IPv4の例)
図3 正確にいうと、家庭ではIPv4アドレスはWi-Fiルーターに割り当てられる。これはインターネット上で重複しない「グローバルIPアドレス」だ。ルーターは家庭内ネットワークだけで通用する「プライベートIPアドレス」をパソコンやスマホに割り当て、データの交通整理を行う
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一方、IPv6では端末ごとにグローバルIPアドレスが割り当てられる(図4、図5)。IPv6アドレスは前半の「ネットワークプレフィックス」と後半の「インタフェースID」に分けられる。、前者はルーターを再起動しても通常は固定だが、後者をランダムにした一時アドレスを公開することで端末の特定を防ぐ。
IPv6アドレスは3種類ある
図4 コマンドプロンプトで「ipconfig」コマンドを使ってネットワークの状態を確認すると、パソコンには3つのIPv6アドレスが割り当てられているのがわかる。「IPv6アドレス」と「一時IPv6アドレス」はグローバルIPアドレス。このうち外から見えるのは後者だけだ
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IPv6アドレスと一時IPv6アドレスの違い
図5 IPv6アドレスは前半の「ネットワークプレフィックス」と後半の「インタフェースID」に分けられる。前者はほぼ固定のものが割り当てられる
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