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端末は回線契約なしでもお得に買える

 最近のスマホ売り場では「実質数十円」のような破格値を目にする(図1)。実は数万円の大幅割引は誰でも受けられる。電気通信事業法の改正によって通信回線とひも付けた割引は最大2万2000円に制限された。これはMNP(携帯電話番号ポータビリティ)で受けられる割引額を指し、端末単体の購入でもMNP以外の割引は受けられる。割引は主に店舗によるものと、通信会社の分割払いによるものに大別される。後者は端末購入プログラムと呼ばれ、2年後に端末を返却すると代金の一部が免除される仕組み(図2)。

端末によっては大幅に割り引き
端末によっては大幅に割り引き
図1 携帯ショップや家電量販店で見かける数十円のスマホ。回線契約とひも付けた大幅な割引は法律で禁じられているため、実は端末単体で購入しても大幅な割引を受けられる
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図2 iPhoneなどで主流の「実質〇円」は、端末返却を条件とした端末購入プログラムによる割引などを適用した価格を指す。端末単体で購入する場合でも、MNP以外の割引は受けられる。なお、現状「一括○円」は端末購入プログラムを利用しない価格を指す
図2 iPhoneなどで主流の「実質〇円」は、端末返却を条件とした端末購入プログラムによる割引などを適用した価格を指す。端末単体で購入する場合でも、MNP以外の割引は受けられる。なお、現状「一括○円」は端末購入プログラムを利用しない価格を指す
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 現状、分割払いなしでMNPなどを利用する「一括○円」も含めた値引きは、法令による制限を守りつつ端末価格を引き下げる苦肉の策。今後見直される情勢なので今が好機だ。

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どの端末でもSIMを差し替えられる?

 今はSIMロックが禁止されているため、最近の端末なら理論上はどのSIMカードを差し替えても利用できる。ただし、端末によって対応するバンド(周波数帯)が異なるのが落とし穴。一部のバンドだけ非対応なら支障が出ないこともあるが、原則として通信会社ごとに公開している対応端末を確認するのが無難[注1]。なお、iPhoneは各社のバンドに対応しており、SIMフリー端末として人気の理由となっている(図1)。

通信会社の変更は要注意
通信会社の変更は要注意
図1 スマホの機種によって使える周波数帯、いわゆるバンドが異なる。そのため、たいていのスマホの仕様には対応バンドが記載されている。iPhoneの場合は基本的に、大手4社の主要バンドに対応している(5Gのミリ波には非対応)
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[注1]ソフトバンクはSIMカードを機種によって変えているケースがあり、端末を変える場合はSIMカードの変更手続きが必要になる場合がある
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乗り換えるなら月末が一番お得

 MNPで他社に乗り換える場合、基本的に月末がお得になることが多い。というのも大半の料金プランは、いつ解約してもその月の支払いは満額になるからだ。一方、加入月は日割りで計算される場合が多い。つまり、月初に乗り換えてしまうと、旧プランと新プランの両方が1カ月分ほぼ丸々と重複してしまい、大損することになる(図1)。

月初に解約すると二重に支払うことに
月初に解約すると二重に支払うことに
図1 一部を除き、加入月が日割りになるのに対して解約月の支払いは日割りにならないプランが多い。月初に乗り換えると新旧プランの料金がほぼ満額かかってしまう。月末に乗り換えるのがお得[注2]
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[注2]ソフトバンクは締め日が3パターンある
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