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 今回、格安ノートを4万~5万円台、6万~7万円台、8万~10万円台という3つの価格帯に分け代表的な機種を取り上げた(図1)。ここでは検証済みの3機種を横並びで比べながら、「基本性能」と「割安感」を両立する価格帯がどこにあるのかを探ってみた。

図1 今回実力を検証した格安ノートは、約4万円の「E510MA」、6万円台半ばの「IdeaPad L360i」、約10万円の「Inspiron 16」の3台。ここではテストを通じて浮き彫りになった実力差を総括する
図1 今回実力を検証した格安ノートは、約4万円の「E510MA」、6万円台半ばの「IdeaPad L360i」、約10万円の「Inspiron 16」の3台。ここではテストを通じて浮き彫りになった実力差を総括する
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 まずパソコンの起動の速さから。ストレージにeMMCを採用する「E510MA」は、PCIeのSSDを採用するほかの2台に比べて20秒以上時間がかかった(図2)。追加検証として「Excel」や「Edge」の起動時間も計測したが、ほぼ瞬時にアプリが起動する2機種に比べ、E510MAは3.6~5.5秒も待たされた。

パソコンやアプリの起動に差が出る
パソコンやアプリの起動に差が出る
図2 パソコンとExcel、Edgeの起動時間を計測した。大きな差が出たのはパソコンの起動時間。最速は、Inspiron 16で、IdeaPad L360iより数秒速かった。最安のE510MAはデスクトップ画面の表示までの時間はほか2台と差は小さかったが、常駐アプリの起動が遅く最終的な起動時間は約1分となった
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 起動時間が遅い理由は、搭載するCPUにも要因がある。E510MAは、3台の中では唯一Celeronを採用する。ほかは第11世代のCore i5と、AMDのRyzen 7なので歴然とした実力差がある。実際、「CINEBENCH R20」でテストしたところ、シングルコアで2倍以上、マルチコアで7倍以上という大差がついた(図3)。

CPU性能も「E510MA」だけ大きく劣る
CPU性能も「E510MA」だけ大きく劣る
図3 次はCPU性能。各製品の検証パートではCINEBENCH R23を使ったが、ここでは同R20を使って過去に計測した主要CPUの結果と横並びで比べた。E510MAが採用するCeleron N4020は、第6世代のCore i3よりも大きく劣る。一方で、Ryzen 7 5825Uを採用するInspiron 16はマルチコアで圧倒的な性能を発揮した
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 実作業に近いベンチマークで、Officeアプリやブラウザーの動作性能を測る「PCMark 10 Applications」も追加でテストしたが、こちらでもE510MAの処理性能は、ほかの2台の5分の1~半分程度のスコアにとどまっている(図4)。

Officeやブラウザーの動作は?
Officeやブラウザーの動作は?
図4 検証パートでテストした「PCMark 10」に加え、Office系アプリとブラウザーの動作性能を測る「PCMark 10 Applications」をテストした。当然の結果だがE510MAはスコアが低い。Inspiron 16とIdeaPad L360iは、全体的に見て大きな差がないことがわかる
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