全1312文字
PR

処分する前にパソコンのデータを消去する

 パソコンやスマホなどを譲渡・廃棄する際は、内部に保存しているデータを確実に消去しなければならない。パソコンの場合、リカバリーしただけでは不十分。ディスクに書き込まれたデータは、削除して見えなくなっていても、その領域に新しいデータが上書きされるまで内部に残っているからだ(図1)。

リカバリー後もデータを復元される恐れがある
リカバリー後もデータを復元される恐れがある
図1 パソコンをリカバリーして初期状態に戻しても、知識があるユーザーならデータを復元できる可能性がある。個人情報や機密情報を守るため、完全に消去しなければならない
[画像のクリックで拡大表示]

 そこで、消去ツールを使う。データ消去後に「0」や乱数をディスクに繰り返し上書きすることで、元データを復元できないようにする仕組みだ。譲渡する場合は、いったんデータを完全に消去してからリカバリーディスクで購入時の状態に戻す。

 パソコンメーカーが消去ツールを提供していることもあるので、それを使えば内蔵ドライブのデータを完全に消去できる(図2)。メーカーがツールを提供していないパソコンや、外付けHDDなどは、市販のデータ消去アプリを使う(図3)。

メーカー提供の消去ツールを使う
メーカー提供の消去ツールを使う
図2 パソコンメーカーがデータ消去ツールを提供していることもある。例えば、NECのパソコンでは、リカバリーディスクから起動したあと、「データを消去」を実行する
[画像のクリックで拡大表示]
市販のデータ消去アプリを使う
市販のデータ消去アプリを使う
図3 起動ディスクとしても利用でき、Windowsが起動しないパソコンでも使えるデータ消去アプリ。光学ドライブがないパソコンの場合でも、Windowsが動作可能なパソコンを使って起動用USBメモリーを作成できる
[画像のクリックで拡大表示]

 なお、Cドライブのデータを消去するには、リカバリーディスクやアプリのCD-ROMなどからパソコンを起動する必要がある。外部ディスクから起動する方法は機種により異なるので、説明書で確認しよう。

 電源が入らないパソコンや壊れていて認識されない外付けHDDなどは、ディスクに穴を開けて物理的に破壊すればデータを復元できなくなる。しかし、HDDはかなり固いので自分で穴を開けるのは大変だ。ビックカメラやソフマップでは、HDDを破壊するサービスを提供しているので、利用するのも手だ(図4)。

HDDの破壊サービスを利用する
HDDの破壊サービスを利用する
図4 ビックカメラやソフマップではHDDやSSDを破壊するサービスを提供している
[画像のクリックで拡大表示]