全8216文字
PR

Linuxはサーバーによく使われているのに加え、Windowsのようにパソコン用OSとしても利用できる。過去に挑戦して断念したことがある人も無理なく学べるように、ステップアップ式でLinuxを解説する。

Step 1 ライブ版のUSBメモリーで起動する方法

 Linuxは「ライブ起動」することで手軽に試せます。ライブ起動とは、USBメモリーやDVDなどの外部メディアからLinuxを起動する方法です。PCにインストール済みのOSを壊すことなくLinuxを試せます。ここでは世界的に人気の高いLinuxである「Ubuntu」を、USBメモリーからライブ起動して試す方法を紹介します。ライブ起動に使うPCは、Windowsが動作するPCであればほぼ動作します。

 まずは起動用のUSBメモリーを作成します。この作業はWindows PCで進めてください。USBメモリーは、容量が8Gバイト以上のものを用意します。また、ライブ起動するWindows PCが「USB 3.x」ポートを備えているようなら、USBメモリーも読み込み速度の速い「USB 3.x」以上のものを用意すると、Ubuntuが快適に動作します。用意したUSBメモリーは、Windows PCに差し込んでおきます。

 Windows PCでWebブラウザーを起動して「Ubuntu 22.04 LTS 日本語 Remix」のダウンロードサイト*1にアクセスします。ミラーサイトのリンクが一覧表示されるので、いずれかをクリックして「ubuntu-ja-22.04-desktop-amd64.iso」をダウンロードしてください。

*1 https://www.ubuntulinux.jp/News/ubuntu2204-ja-remix

 次に、ダウンロードしたISOファイルをUSBメモリーに書き込みます。書き込みツールは何でも構いません。広く使われているのは、Windows、macOS、Linuxに対応した「Etcher」です。公式サイトからダウンロードできます*2。Windows向けには「インストーラー版」と「ポータブル版」の2種類が用意されていますが、どちらでも構いません。ポータブル版はexe形式のファイルで、そのままダブルクリックすれば起動します。起動したら図1の手順でUSBメモリーに書き込みます。

*2 https://www.balena.io/etcher#download-etcher
図1 「Etcher」で起動用USBメモリーを作成する手順
図1 「Etcher」で起動用USBメモリーを作成する手順
[画像のクリックで拡大表示]

 書き込みが終了したらPCを再起動し、起動用USBメモリーから起動します。そのためには、PCのUEFI/BIOS設定画面を開き、USBメモリーから起動するように設定を変更します。またはブートメニューを開いてUSBメモリーを指定します。UEFI/BIOS設定画面やブートメニューを開く方法はPCごとに異なります。PCの取扱説明書などを参照してください。

 USBメモリーから起動すると図2のメニューが表示されます。矢印キーを押して上から2番目の「Try Ubuntu with Japanese Input support」を選択し、[Enter]キーを押します。少し待つと、壁紙にクラゲが描かれたデスクトップ画面が表示されます(図3)。

図2 起動用USBメモリーから起動すると表示されるメニュー画面
図2 起動用USBメモリーから起動すると表示されるメニュー画面
[画像のクリックで拡大表示]
図3 「Ubuntu 22.04 LTS 日本語 Remix」のデスクトップ画面
図3 「Ubuntu 22.04 LTS 日本語 Remix」のデスクトップ画面
[画像のクリックで拡大表示]