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Linuxはサーバーによく使われているのに加え、Windowsのようにパソコン用OSとしても利用できる。過去に挑戦して断念したことがある人も無理なく学べるように、ステップアップ式でLinuxを解説する。

Step 29 コマンドを実行する方法

 コマンドの入力には「端末」アプリを使用します。[Ctrl]キーを押しながら[Alt]キーと[T]キーを押すと起動します。起動直後には「プロンプト」が表示されます(図1)。プロンプトのフォーマットは「ユーザー名@ホスト名:カレントディレクトリー$」です。「カレントディレクトリー」とは、現在自分がいるディレクトリー(フォルダー)です。初期状態はユーザーのホームディレクトリーを表す記号「~」(チルダ)が表示されます。なお、これ以降はプロントを「$」と表記します。

図1 「端末」アプリの起動直後の画面
図1 「端末」アプリの起動直後の画面
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 試しに現在日時を表示する「date」コマンドを実行してみましょう。結果を表示した後は、再びプロンプトが表示されます。

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 コマンドに渡す何らかの値を引数と呼び、中でもコマンドの動作を変更する指令のようなものを「オプション」と呼びます。例えばdateコマンドは「-u」オプションを指定すると、世界標準時で日時を表示します。

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Step 30 ディレクトリー間を移動する方法

 ディレクトリーやファイルまでの道筋を「パス」と呼びます。パスの指定方法には「絶対パス」と「相対パス」の2種類があります。

 絶対パスは、ファイルシステムの頂点であるルート「/」から指定する方法です。例えばユーザー「o2」のホームディレクトリーにある「ピクチャ」ディレクトリー内の「sample.png」ファイルは、絶対パスでは次のように表記します。

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 相対パスは、カレントディレクトリーからのパスで指定する方法です。現在「/home/o2」ディレクトリーにいる場合、相対パスで上記のファイルを指定するには、次のように表記します。

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 カレントディレクトリーは「pwd」コマンドで調べられます。

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 ほかのディレクトリーに移動するには、「cd」コマンドで移動先のディレクトリーを指定します。

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 「~」(ホーム)や「..」(一つ上)のような、ディレクトリーを示す記号を覚えておくと便利です。「cd~[Enter]」でホームディレクトリー、「cd~/ドキュメント[Enter]」でホームディレクトリーにある「ドキュメント」ディレクトリー、「cd..[Enter]」で一つ上のディレクトリー、「cd../ミュージック[Enter]」で一つ上のディレクトリーにある「ミュージック」ディレクトリーに移動できます。

Step 31 ファイルを一覧表示する方法

 ディレクトリーにあるファイルを一覧表示するには「ls」コマンドを使います。引数には、目的のディレクトリーを指定します。次のコマンドは、カレントディレクトリーにある「ピクチャ」ディレクトリーを表示する実行例です。

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 「-l」オプションを指定すると詳細情報を表示できます(図1)。詳細情報の行頭の1文字目が「-」はファイル、「d」はディレクトリーを意味します。

図1 「ls -l」コマンドの実行例
図1 「ls -l」コマンドの実行例
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 「tree」コマンドを使うと、ディレクトリーとファイルの階層構造を視覚化できます(図2)。ただし、Step 42で紹介する「apt」コマンドを使い、あらかじめインストールしておく必要があります。次のように実行してください。

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図2 「tree」コマンドの実行例
図2 「tree」コマンドの実行例
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