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Linuxはサーバーによく使われているのに加え、Windowsのようにパソコン用OSとしても利用できる。過去に挑戦して断念したことがある人も無理なく学べるように、ステップアップ式でLinuxを解説する。

Step 52 固定IPアドレスを設定する方法

 自宅でサーバーを構築すると、例えば「http://サーバーのIPアドレス/」といったように、サーバーのIPアドレスを指定してアクセスするのが手軽です。いつも同じIPアドレスでアクセスできるように、サーバーとして利用するUbuntu PCのIPアドレスは固定しておいた方が便利です。

 IPアドレスは、「設定」アプリの「Wi-Fi」または「ネットワーク」を開いて設定できます。ただし、好き勝手なIPアドレスを設定できるわけではありません。自宅のネットワーク環境に合うように決める必要があります。

 そのためには「設定」アプリを起動し、有線LANで接続しているときは「ネットワーク」を、無線LANで接続しているときは「Wi-Fi」を、画面左側のメニューで選択します。画面右側に「接続中」のネットワークやアクセスポイントが表示されるので、その右端にある「ギア」アイコンをクリックします。接続中のネットワーク環境の情報が表示されるので、このうち「デフォルトルート」と「DNS」のIPアドレスをメモしておきます。

 デフォルトルートのIPアドレスが「192.168.1.1」だった場合、通常は四つめに区切られている数字を「2」から「255」の範囲で選び、サーバーのIPアドレスとして「192.168.1.2」から「192.168.1.255」の範囲で設定可能です。

 ただし、実際に決められる範囲はブロードバンドルーターの仕様や設定に依存します。詳しくは、ブロードバンドルーターの取り扱い説明書を確認してください。

 後は、「IPv4」タグを開いてサーバーのIPアドレスを設定します。具体的な手順は読者限定サイトの資料にまとめました。ダウンロードして参照してください。

※「https://nkbp.jp/nlinux」で2023年3月号のページを開き、「●読者限定サイトと訂正・補足は<こちら>」からアクセス。IDは「linux」、パスワードは「download」。

Step 53 時刻同期のトラフィックを低減する方法

 NTPサーバーを設定すれば、LAN内のPCの時間同期をNTPサーバーに一本化でき、無用なトラフィックを抑えられます。簡易なNTPサーバーであれば「openntpd」が使いやすいでしょう。次のようにインストールします。

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 インストール後、「/etc/openntpd/ntpd.conf」ファイルを開き、図1のようにすべてを変更します。

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図1 「/etc/openntpd/ntpd.conf」ファイルの内容
図1 「/etc/openntpd/ntpd.conf」ファイルの内容
1行目の「192.168.1.10」は、NTPサーバーのIPアドレスを指定する。
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 変更後、[Ctrl]キーを押しながら[O]キーを押してファイルを上書き保存し、[Ctrl]キーを押しながら[X]キーを押してエディタを終了します。設定を反映するため、次のコマンドを実行してNTPサーバーを再起動します。

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 再起動後、このPCの時刻同期が終了すれば、NTPサーバーとして利用できます(今回の設定例なら「192.168.1.10」)。ただし、時刻同期に1日くらいかかることがあるため、ほかのPCの設定は翌日に行うのが確実でしょう。