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プログラミング言語「Python」は広く使われるようになり、高い人気を誇る。この特集では、Pythonで自動化アプリを自作できるようになるための最低限の知識を紹介する。

 第1部で、開発のための準備ができました。第2部では、Pythonの文法の基本的なところを解説します。

重要なのは「データ構造」と「処理機能」

 Pythonを含め、プログラミングにおいて重要なのは、「データ構造」と「処理機能」を理解することです。どのプログラムも何かしらの「データ」を「処理」します。データには数値や文字列などの種類があります。複数のデータをまとめて扱うなら、まとめ方の「構造」もあります。そして、それらのデータにさまざまな計算や加工などを行う「処理機能」があります。

 どのような種類/構造のデータに対して、どういった処理機能を用いるのか…、それをプログラマが考えて処理手順を組み立て、コードを書いていくことこそがプログラミングなのです。この「データ構造」と「処理機能」の2つはその都度出てきますので、そこは意識しておぼえてください。

 Pythonの文法は多岐にわたりますが、本稿ではその中でも入門者が最初に習得しておきたい以下の基本的な項目に絞って解説します。この項目を理解するだけで、このあと第3部で作る「自動化プログラム」が作れてしまいます。基本とはいえ、侮れません。しっかり理解しましょう。

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 それでは、順に学んでいきましょう。

文字列と数値 (データ構造)

 Pythonのプログラムで扱うデータの基礎となるのが、「数値」と「文字列」です。

 まず、数値を扱う場合を説明します。

 数値の場合は、目的の数値をそのままコードに記述します。例えば、50という数値を出力するなら、print関数の括弧内に「50」を記述します(リスト1)。

リスト1 ●数値の50をprint関数で出力
リスト1 ●数値の50をprint関数で出力
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 Jupyter Notebookのツールバーの[+]をクリックして新規セルを追加し、そこにリスト1を記述してください。以降、各コードは原則、新規セルに記述していくことを前提とします。

 コードを記述できたら、[Run]ボタンで実行してください。すると、図1のように50が出力されました。

図1 ●リスト1の実行結果。50が出力された
図1 ●リスト1の実行結果。50が出力された
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 次に、文字列を扱う場合を説明します。

 文字列の場合は、目的の文字列を「 ' 」で囲みます。第1部では、「Pythonをはじめよう」という文字列「'Pythonをはじめよう'」と記述しましたね。なお、「 ' 」の代わりに「 " 」(ダブルクォーテーション)で囲っても構いません。本稿では「 ' 」を用います。

 ちなみに、ここでやったように数値や文字列をコードに直接記述したものを、専門用語で「リテラル」と呼びます。