スペイン・バルセロナで開催された携帯電話業界最大の見本市「MWC Barcelona 2023」では5Gのマネタイズ(収益化)が重要なテーマの1つと位置づけられており、5Gの高い性能を生かすコンテンツとして注目を集めていたのがメタバースである。ただ目指すところはメタバース(仮想空間)の先にあり、実際に会場で展示されていたデバイスからその傾向を確認していこう。
VRシフトが鮮明なHTCはプライベート5Gの活用も
さまざまなメタバース関連の展示があった中、やはり注目の的はメタバースの利用に欠かせないXR関連デバイスだろう。メタバース関連デバイスやソリューションの展示に最も力を入れていたのが台湾の宏達国際電子(HTC)である。
同社はスマホ大手だった頃からMWC Barcelonaにブースを構えていたが、今回の展示はVR(仮想現実)ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)の「HTC VIVE」に全面シフトしていた。展示ブース内では最新のVR HMD「VIVE XR Elite」の体験デモを複数用意。多くの来場者を集め、盛り上がりを見せていた。
携帯電話関連のイベントということもあり、展示ブースではプライベート5Gを活用したソリューションのデモも紹介されていた。HTC子会社のG REIGNSが開発した可搬型のプライベート5Gネットワークシステム「REIGN CORE S2」を用いたもので、高速なプライベートネットワークを素早く構築できる利点を生かし、仮想空間の映像に人物をリアルタイムで合成して配信するデモなどを実施していた。