「薬を患者に提供する場」として医療を支えてきた薬局がデジタル技術で大きく変わろうとしている。患者はオンラインでの処方薬購入が可能になり、薬局の現場でも調剤や薬歴管理などの業務の効率化が進む。加えて、少子高齢化や医療の地域間格差といった社会課題を解決するため、薬局の役割は処方薬の提供を超えたものになりつつある。薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)の実態を追った。

(出所:123RF)
「薬を患者に提供する場」として医療を支えてきた薬局がデジタル技術で大きく変わろうとしている。患者はオンラインでの処方薬購入が可能になり、薬局の現場でも調剤や薬歴管理などの業務の効率化が進む。加えて、少子高齢化や医療の地域間格差といった社会課題を解決するため、薬局の役割は処方薬の提供を超えたものになりつつある。薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)の実態を追った。
少子高齢化や過疎化といった社会情勢を受け、調剤薬局が提供するサービスが変化しつつある。薬局が「処方薬を提供するだけの場」から脱却すると、どのような医療が実現するだろうか。
薬局業界では「対物から対人へ」が合言葉のように使われている。薬の配架や事務処理といった作業を減らし、患者とのコミュニケーションなど薬剤師にしかできない業務に時間を割くべきだとする考え方である。デジタル技術やロボットを駆使してこうした変化を後押しする動きが広がっている。
コンビニエンスストアよりも多いとされる調剤薬局が今、淘汰の時代に突入しようとしている。その一因が、オンライン服薬指導などが広がり店舗に行かずとも処方薬が手に入るようになっていることだ。リアルな店舗としての薬局は今後、減少していくのだろうか。
全国に6万店舗以上ある調剤薬局が岐路に立たされている。デジタル技術の発達や規制緩和に伴い、患者は薬局店舗に行かずして処方薬を入手できるようになった。少子高齢化をはじめとした社会情勢を背景に、薬局が提供するサービスも「処方薬の提供」を超えて多様化している。