世界の電力網が蓄電池で急速に変わり始めた。数百MWの定置用蓄電池から、家庭に設置する数kWhの蓄電池や数十kWhの電気自動車(EV)の蓄電池まで、大小の蓄電池が自ら“稼ぎ”始めたのである。これまで蓄電池は、災害などいざというときの掛け捨ての保険のようなもの。“安心・安全”は得られても、経済合理性の確保にはほど遠かった。自ら稼ぎ始めたことで、経済合理性にメドがたちつつある。既に、太陽光発電システムと併せて無償で蓄電池を提供する事業者も出てきた。電力系統への蓄電池の大量導入に大きく弾みがつくのは確実だ。そしてそれは、再生可能エネルギーの一層の大量導入に道を開くことになる。

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蓄電池が“穀つぶし”から“稼ぎ手”に