「DNS」はインターネットを支える基盤技術の1つである。ネットワーク技術者なら押さえておくべき技術だ。そこで本特集では、DNSの仕組みを基礎から解説する。名前解決の基本的な動作に加えて、ゾーンファイルやゾーン転送、DNSメッセージなどを豊富な図を使って詳述する。

特集
完全図解「DNS」
出典:日経NETWORK 2023年1月号 pp.20-31
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目次
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複雑なようで単純な「DNSメッセージ」、構造と中身を徹底解説
名前解決の問い合わせや応答でやり取りするデータを「DNSメッセージ」と呼ぶ。その内部には「ヘッダーセクション」「質問セクション」「回答セクション」「権威セクション」「追加セクション」というセクションがある。
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障害に備えてDNSサーバーを冗長化、鍵を握る「ゾーン転送」の巧みな仕組み
DNSでは、権威DNSサーバーに障害が発生して名前解決ができなくなると、ドメイン名によるWebアクセスができなくなったりする。このため権威DNSサーバーは、冗長化の仕組みが必須となる。その要となるのが「ゾーン転送」という仕組みと、「SOAレコード」というリソースレコードだ。
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IPアドレス以外も登録されている、DNSの「ゾーンファイル」をのぞいてみよう
権威DNSサーバーに登録されているのは、ドメイン名とそれに対応するIPアドレスだけではない。名前解決に関係するさまざまな情報が登録されている。その1つひとつを「リソースレコード」と呼ぶ。リソースレコードは、「ゾーンファイル」というテキストファイルにまとめて格納されている。
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DNSサーバーは「権威」と「キャッシュ」の2種類、一体何が異なるのか
インターネットでは複数のDNSサーバーが連係し、ドメイン名とIPアドレスを階層的に分散管理している。この階層は、ドメイン名の階層構造に対応している。そこで、ドメイン名の構造と、それらの構造に基づく名前解決の流れを見ていこう。
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ドメイン名をIPアドレスに変換、「DNS」がインターネットの基盤である理由
インターネットのWebサイトを閲覧する際には、Webブラウザーのアドレス欄にドメイン名を入力する。これにより目的のWebサイトにアクセスできるのは、DNSの「名前解決」と呼ばれる仕組みのおかげだ。DNSの基本機能である名前解決の役割と仕組みについて解説する。