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 「日本発AIスタートアップ業界地図」第2回は、自然言語処理を事業の主軸にしている日本発AI(人工知能)スタートアップの情報を、ひとめで分かる業界地図と詳細な表データにまとめた。

図 自然言語処理を事業の主軸にしている日本発AIスタートアップの例
図 自然言語処理を事業の主軸にしている日本発AIスタートアップの例
(出所:日経クロステック)
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 日本語や英語など人間が日々のコミュニケーションで使う自然言語を処理するAIの領域で今の旬といえば、米OpenAI(オープンAI)が2022年11月に発表した「ChatGPT」をはじめとするLLM(巨大言語モデル)だ。

 例えばChatGPTであれば、ユーザーがWebサイトの入力欄に自由に文章を入力すると、AIがそれに応じた回答を出力する。質問だけでなく雑談に対しても流ちょうに返答できる。米Microsoft(マイクロソフト)は同社が提供する検索エンジンBingに、ChatGPTをカスタマイズしてより検索に適するよう改良したLLMを掛け合わせ、2023年2月に新しいBingとして提供を始めた。

 一方で目的別の自然言語処理AIサービスにおいては、チャットボットや音声認識による議事録作成、AI-OCRなどのサービスを提供するスタートアップの登場が国内で相次いでいる。自然言語処理の独自アルゴリズムの研究からチャットボットなどのAI SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)提供まで幅広く手掛けるPKSHA Technologyによると、特にエンタープライズの情報システム部門や人事総務などを中心に、自然言語処理AIへのニーズが高まっているという。

 背景には社内コミュニケーションのツールとしてビジネスチャットが広がり、自然言語処理AIが解析できる領域やデータ量が向上したことがある。新型コロナウイルスの感染拡大によってリモートワークが普及した結果、マイクロソフトが提供するTeamsなどのコミュニケーションツールを導入する企業が増えたためだ。