工場での自動搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)などによる自動搬送システムの導入が進んでいる。しかし、搬送物のサイズや質量が大きくなると、一般的なAGVやAMRでは対応しきれない場合がある。大量の部材を一度に搬送するのにも不向きだ。だからといって大型部材や大量部品の搬送用に独自のAMRを製造するのはコストがかかりすぎる。
こうした課題の解決策として、既存の小型電動トラクター(けん引車)に車載コンピューターなどを後付けして、自動搬送できるシステムの導入に取り組んでいるのが三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)だ。同社川崎製作所(川崎市)では、電気自動車(EV)タイプの自動けん引車を導入して無人で荷物を運ぶ実証実験を進めている(図1)。特定の条件下では原則として自動運転する「レベル3」(緊急時などには人が操作する条件付き自動運転)での導入を目指す(図2)。