どんなものでも長い年月を経れば朽ち果てる。パソコンのストレージもしかり。HDD、SSD、USBメモリー、光ディスク(DVD、BD)など、身の回りにはさまざまなメディアがある。注意したいのは、壊れる原因や耐久性、経年劣化の度合いがメディアによって違うこと。物理障害と論理障害(ソフト障害)の見極めも大事だ。大切なデータを失わないように、仕組みを理解して末永く使っていこう。

ストレージはなぜ壊れるか?
目次
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異常終了が心配ならOS標準の「チェック」機能、修復不可能ならフォーマット
ファイルシステムの障害はめったに起きないが、異常終了後などで心配ならOS標準の「チェック」機能で検査しよう。
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「ファイルシステム」は「システムファイル」の1つ、自己修復機能が強力なNTFS
OSが起動すると実行され、ストレージ上に作った台帳を管理する「ファイルシステム」。非常に優れた自己修復機能を備えている。
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データは消えるが初期化で解決、ストレージの論理障害はソフトウエアの異常で起こる
ストレージにはソフトウエア上の障害も起こり得る。これは論理障害とも呼ばれ、ファイルを管理するソフトウエアに異常が発生して、読み書きやコピー、削除などのファイル操作で支障が出る。
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光ディスクの劣化をチェック、エラーが多いなら速やかにバックアップしよう
古い光ディスクの劣化が心配なときはフリーソフトでチェックし、エラーが多いなら速やかにバックアップすべきだ。一部のデータが読み取れない場合、救出できる可能性もある。
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劣化した光ディスクはなぜ読めなくなるのか、金属系素材では寿命1000年をうたう
光ディスクは汚れや傷、紫外線による劣化などで読めなくなる。記録層の素材でも耐久性が変わることを知っておきたい。
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光ディスクの格安品は紫外線で大きく劣化、記録面を円周方向に拭くのもNG
光ディスクの寿命を延ばすポイントは保管方法以外にもある。まず、高品質の製品を選ぶこと。さらに、記録面の拭き方でも寿命は変わってくる。
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長期保管に向く光ディスク、ただし「直射日光」「高温多湿」「汚れや傷」は大敵
CDやDVD、BD(ブルーレイディスク)といった光ディスクは、ほかのストレージと比べて圧倒的に寿命が長い。ただし、保管環境が悪いと劣化してデータが壊れ、最悪ディスク全体が読めなくなってしまう。
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SSDが突然フリーズしたら要注意、性能の低下は冷却不足が原因かも
SSDには寿命が近くなっても何とか頑張る仕組みがあるが、障害がひどくなって表面化するケースもある。「読み書きが遅くなった」「作業中に突然フリーズする」などの症状が出るようになったら要注意だ。
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「セキュア」な消去でSSDの性能を回復、フォーマットと異なる初期化処理
遅くなったSSDは「セキュアイレース」という初期化処理を実行することで、初期性能を取り戻せる。本来は悪意を持ったデータ復元を防ぐことが目的だが、結果的に速度回復にも貢献する。
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SSDの延命機能「ウエアレベリング」、セルの書き込み回数を平均化する
SSDには、セルの寿命を延ばす工夫も施されている。特定のセルに書き込みが集中するのを防ぐ「ウエアレベリング」という機能だ。
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使い込むと遅くなっていくSSD、上書きできずに空きブロック不足に
電子回路製品であるSSDは衝撃ではめったに壊れないが短所もある。その1つが「使い込むと遅くなる」ことだ。
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使い込んだセルは記録不能に、SSDは書き込める総容量に上限がある
電子回路製品であるSSDは、HDDと違って衝撃で壊れることはめったにない。ただし、「書き込み回数の上限がある」という短所がある。
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異音を聞き分けてHDDの故障を診断、「カツンカツン」「キュルキュル」は危ない
HDDに衝撃を与えて「壊れたかな」と思ったらどうするか。高所からの落下などで物理障害が濃厚なときは、電源を入れずに復旧サービスにまかせることをお勧めする。HDDが認識されないときや、異音がするようになったときも同様だ。
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高温多湿や寒暖差に弱いHDD、パソコンの設置場所には注意が必要
HDDは高温多湿の環境にも弱い。耐熱温度は50度ほどで、それを超えると磁気ディスクを回転させるモーターの潤滑油が焼き付くなどの障害が発生する。
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事故でHDDが「突然死」、落とした衝撃で不良セクターが大量発生
HDDの障害で最も怖いのは事故による突然死だ。稼働中のパソコンを落としたりすると、HDDが物理的に故障する危険がある。
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5年過ぎると生存率が急低下、駆動部品が多いHDDは壊れやすい
ほかのストレージと比べて壊れやすいHDD。その理由は機械駆動部品が多いからだ。HDDの仕組みと弱点を理解しよう。
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USBメモリーを書き込み中に抜くとどうなる?100回繰り返してみた
外付けストレージにデータを書き込み中、いきなりパソコンから抜いたらどうなるか。USBメモリーを計100回抜き差しして検証した。
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水没に強いストレージはどれだ?海水や泥水にも耐えるSDカード
各種ストレージに対して危険と思われる行為を実行し、本当に壊れるかを検証した。今回はHDDを高温環境下に置いたり、さまざまなストレージを水没させたりして壊れないかを検証した。
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100回倒したら壊れるか?HDDの故障リスクを検証
各種ストレージに対して危険と思われる行為を実行し、本当に壊れるかを検証した。まずは耐衝撃性について、HDDを100回倒して壊れないかを検証した。
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ストレージ障害の謎、知っておくべき2つのポイント
ストレージの障害について知識を深め、取り扱いや障害診断の達人を目指そう。ポイントは「メディアの特性」と「障害の種類」の2つだ。