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延命のポイントは保管方法だけとは限らない。ディスク自体の品質も寿命を左右する。編集部が実施した劣化テストでは、100円ショップの格安品が紫外線で大きく劣化したケースがあった(図9)。強力な紫外線を10日間浴びせ続けた結果、国内大手メーカー製品はほぼエラーなしだったのに対し、格安品ではエラーが頻発した。
安物ディスクは紫外線でエラーが頻発
図9 DVD-Rに強力な紫外線を10日間当て続けた後、フリーソフトの「Opti Drive Control」で劣化を検査。グラフはパリティで修復できる「PIエラー」の数で、110を超えると良好とはいえない状態。国内大手メーカー製はエラーがほぼないのに対し、100円ショップの格安品はエラーが急増した
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読み出しエラーは記録面の汚れや傷でも起きる。汚れは柔らかい布で優しく拭き取ればよい。ただし、拭く向きに注意。必ず内側から外側に向かって拭く(図10)。これはデータが円方向に沿って書き込まているからだ。光ディスクでは「パリティ」というエラー訂正符号と一緒にデータを書き込み、多少のエラーは訂正してくれる(図11)。しかし、円方向に傷が付くとデータが復元できないほど大破する危険がある。
汚れは必ず内側から外側に拭く
図10 ディスクの記録面の汚れは、メガネ用などの柔らかい布で中心から外側に向かって優しく拭く。目立つほこりがある場合は、先にブロワーやエアダスターで吹き飛ばしておくとよい
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図11 光ディスクでは渦巻き状に内側から外側に向かってデータが書き込まれる。「パリティ」と呼ばれる訂正符号が併せて記録され、傷や汚れによる軽微なエラーはパリティによって自動訂正される。ここでは3ビットのデータと1ビットのパリティ(データ1の個数が偶数なら0)をワンセットにして模式化した(実際の処理はもっと複雑)。円周に沿って拭いて横方向に傷が付くと、データとパリティが両方読めなくなる危険がある。中心から外側に向かって拭けば、縦方向の傷で一部が欠損しても訂正できる
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