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 企業の時価総額ランキングの上位を占め、世界の経済や社会生活に大きな影響を与えている巨大IT企業5社「GAFAM」。ChatGPTは、これらの巨大企業が席巻してきたIT産業を大きく変える可能性を秘める。

 今回の連載では、日経クロステックでAI(人工知能)分野の取材を重ねている貴島逸斗記者が、巨大IT企業の手掛けているビジネスにChatGPTがどのような影響をもたらすのかを、クイズを交えて紹介する。今回も久保田龍之介記者と議論した。記事の最後にはその様子を収録した動画も掲載している。(日経クロステック編集部)

(出所:日経クロステック)
(出所:日経クロステック)

貴島:まずはクイズです。ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)を用いたツール、あるいは大規模言語モデルをこれまでに発表したことがない企業は次のうちどれでしょう。米Microsoft(マイクロソフト)、米Google(グーグル)、米Meta(メタ、旧フェイスブック)

(出所:日経クロステック)
(出所:日経クロステック)

久保田:そうですね。大規模言語モデルを使うといえば、AIがまるで人間のように回答してくれるサービスだと思います。その点では、マイクロソフトには検索エンジン「Bing」を使ったサービスが確かあったかと。グーグルも検索をメインとしているので、おそらく実績があるでしょう。ですから答えは、メタでしょうか。

貴島:実は3社とも過去に発表したことがあるのです。

久保田:そうなのですか。

貴島:引っ掛けるような変な質問ですみません。グーグルは2023年2月、「Bard」と呼ぶシステムを公開しています。一方、メタは科学者の支援を目的とした大規模言語モデルを用いたAI「Galactica」を発表したことがあります。いずれも、それぞれの言語モデルが出力する内容に間違いがあったために、非難されて炎上した過去を持ちます。