住宅設備トラブル大全 ソーラーパネル編

光熱費を節約できるだけでなく、災害時には非常用の電源にも成り得る住宅用の太陽光発電システム。2009年に始まった電力の固定価格買い取り制度の後押しを受けて、急速に普及してきた。ところが近年、そのトラブルが目立つようになってきた。
住宅の躯体を著しく焼くような火災を招いたり、台風がもたらした強風で飛ばされて隣家を損傷させたり――。住宅の省エネに貢献する設備が、突然、牙をむく。
ここでは、太陽光発電システムを巡る近年の事故や裁判の事例をもとに、太陽光発電システムが招いた数々の惨事を、その原因まで掘り下げて紹介する。住宅に太陽光発電システムを導入する際の注意点として把握しておき、システムを導入する際には居住者などにそのリスクを説明しておきたい。居住者側の意識が高まれば、着実な点検などにも結び付き、事故リスクを減らせる可能性が高まる。