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 台風21号が近畿地方に接近した2017年10月22日の夜は、兵庫県三田市内でも大規模なパネルの飛散事故が発生した。

 事故が起こったのは三田市内にある藍中学校、本庄小学校、ゆりのき台小学校の3校だ。既存の3階建て校舎の勾配屋根に載せたパネルと横桟が飛散した〔写真12〕。飛散したパネルの枚数は3校の合計で162枚。設置数の過半に達した〔図1〕。藍中学校ではさらに、脱落したパネルが校庭を飛び越え、集会所の屋根を破損させる事故も招いている。

パネルが飛散した後の藍中学校の屋根を南西側から見た様子。棟の頂部の横桟が全て外れた(写真:三田市)
パネルが飛散した後の藍中学校の屋根を南西側から見た様子。棟の頂部の横桟が全て外れた(写真:三田市)
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反対側から見た様子。アルミ製の横桟が変形している。縦桟には横桟を固定していたボルトの一部が残る(写真:三田市)
反対側から見た様子。アルミ製の横桟が変形している。縦桟には横桟を固定していたボルトの一部が残る(写真:三田市)
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〔写真1、2〕横桟ごとパネルが飛散
〔図1〕96枚中60枚が飛散
〔図1〕96枚中60枚が飛散
藍中学校の屋根に配置したパネルの位置図。設置した96枚中60枚が飛散した。北北西から風が吹いていた(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成)
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 三田市内には屋根にパネルを設置した小中学校が計28校ある。飛散事故が発生したのはこの3校だ。

 藍中学校の事故は、午後8時ごろに発生したとみられる。事務員がその時刻に大きな異音を聞いて、市に通報したからだ。同市で観測された最大瞬間風速は毎秒35mで、基準風速の同34mとほぼ同じ数値だった。