「耐火」は木造が苦手な性能ではなくなった。国内初となる木造による3時間耐火構造の国土交通大臣認定が、シェルター(山形市)の開発した技術に交付された。木材活用は新たな局面に入ったといえそうだ。
3時間耐火構造の大臣認定を受けたのは、シェルターが開発した木質耐火部材「COOL WOOD」。交付は2017年12月22日付だ。
建築基準法は耐火建築物について、建物の階数などによって必要となる耐火時間を定めているが、3時間超の規定はない。今回の大臣認定による技術を使えば、耐火規定については木造でも適用できる階数の上限がなくなる。
同社は17年7月に3時間耐火試験をクリア。その後、大臣認定を申請していた。
認定を受けたのは、柱と梁(3面)の2件。荷重支持部材を厚さ21㎜の強化石こうボード4枚で覆い、さらに厚さ20㎜以上の木材を表面に張った仕様だ。合計で、耐火被覆は1面当たり104㎜以上になる。表面材には薬剤で難燃処理した木材も使用可能で、用途別の内装制限にも対応できるようにした。