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実は珍しくない部品脱落事故

 実は部品脱落自体は珍しい事故ではない。推進会議がまとめた強化策の報告書(以下、報告書)によると、国内航空会社からの部品脱落の報告は、2009〜2016年度の8年間で451件に上る。増加傾向にある運行便数に対して、脱落の報告件数はおおむね横ばいだが、毎年50〜60件の報告があるのだ(図2)。

図2 国内航空会社の部品脱落に関する報告件数の推移
図2 国内航空会社の部品脱落に関する報告件数の推移
年度によってばらつきがあるが、落下物件数は大きくみると横ばいで推移している。国土交通省の資料を基に日経ものづくりが作成。
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 ただし、その大半は航路の洋上で発生しているとみられ、部品が発見されるケースは少ない*4。実被害はさらにまれである。例えば、成田空港周辺での部品・氷塊の落下確認件数は、2007〜2016年の10年間で19件。そのうち被害が報告されているのは5件で、ビニールハウスや屋根瓦、車両といった軽微な破損だった。

*4 空港内で脱落部品が見つかっているのは全体の2割ほど。

 このように、これまでは被害が軽微で発生頻度もまれなため注目されてこなかった。しかし、脱落事故が立て続けに発生した上に、市街地でのクルマへの衝突で世間の不安の声が高まり、国が対策強化に乗り出した。