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学生の往来が多い筑波大学の連絡通路で、2017年12月に約14トンの天井が突然崩落した。この事故には、地震の揺れなどの“引き金”がない。「見えない接合部」が、人知れず屋根の崩落リスクを高めていた。

2017年12月10日午前7時45分ごろ、筑波大学の1C棟と1B棟を結ぶ連絡通路に架かる鉄骨造の屋根が崩落した。日曜日の朝だったためけが人は出なかったものの、屋根の重量は13.6トンあり、大惨事となっていた恐れもある。1975年に竣工した屋根は、2016年7月に防水改修を施していた。また、定期点検は3年に1度で、崩落前の最後の点検は15年10月だった。設計者は第一工房、施工者は浅沼組(写真:日経アーキテクチュア)
2017年12月10日午前7時45分ごろ、筑波大学の1C棟と1B棟を結ぶ連絡通路に架かる鉄骨造の屋根が崩落した。日曜日の朝だったためけが人は出なかったものの、屋根の重量は13.6トンあり、大惨事となっていた恐れもある。1975年に竣工した屋根は、2016年7月に防水改修を施していた。また、定期点検は3年に1度で、崩落前の最後の点検は15年10月だった。設計者は第一工房、施工者は浅沼組(写真:日経アーキテクチュア)
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 日曜日の早朝に事故が発生したのは、不幸中の幸いだった。2017年12月10日午前7時45分ごろ、茨城県つくば市の筑波大学中地区第1エリアで、1B棟(4階建て)と1C棟(5階建て)の2階を結ぶ連絡通路の屋根が突然崩落した〔写真1〕。連絡通路の手すりが一部破損。また、1C棟側ではガラスなどが破損した。けが人など人的な被害はなかった。

〔写真1〕人通りの多い連絡通路
〔写真1〕人通りの多い連絡通路
崩落した連絡通路の位置。筑波大学中地区第1エリアの1B棟(右側)と1C棟(左側)の2階を結んでいた(写真:筑波大学)
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 崩落した屋根は鉄骨造(S造)で、接合する1B棟、1C棟と同年の1975年に竣工。設計は第一工房、施工は浅沼組が手掛けた。一部が天窓ガラス張りとなる屋根は面積が64m2。重量は13.6トンある。1C棟側の接合部が破断して崩落した。事故直後の写真を見ると、1C棟側の出入り口を塞ぐように連絡通路の屋根が崩落している〔写真2、3〕。

〔写真2〕片持ち鉄骨で屋根を支持
〔写真2〕片持ち鉄骨で屋根を支持
1B棟2階から1C棟2階側を撮影した写真。出入り口付近には学生が集まる小さな空間があり、普段から人通りが多いことがうかがえた。手前に屋根を支える片持ちの鉄骨が見える(写真:日経アーキテクチュア)
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〔写真3〕軒先に支柱はなかった
〔写真3〕軒先に支柱はなかった
1C棟2階から1B棟側に向かって落下した屋根を撮影した写真。北側にせり出した屋根は建物に直接固定していないが、屋根の重量を軒先で支える柱はなかった(写真:日経アーキテクチュア)
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 事故当日には地震は観測されていない。強風の影響もなかった。つまり、落下に外力が作用した形跡がないのだ。