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北海道苫小牧市の市立和光中学校で、天井材の石こうボードが落下する事故が発生した。原因は外付け鉄骨ブレースによる耐震補強。工事中にグラウト材が外壁側から校舎躯体内を伝って天井裏へ流入したとみられる。

 事故が起こったのは2015年10月26日午後2時50分ごろ。3階にある3年生の教室で、授業中に突然発生した。落下した石こうボードの大きさは30cm四方、厚さ7mmほど。けが人は居なかったが、生徒9人の頭や背中にグラウト材が付着し、生徒14人の教科書やコートなどが汚れた。落下した石こうボードが窓に当たり、ガラスにひびが入るなどの被害も生じた〔写真1〕。

〔写真1〕授業中に突然天井が落下しグラウト材が飛散
〔写真1〕授業中に突然天井が落下しグラウト材が飛散
天井材が落下した事故現場。約30cm四方、厚さ約7mmの石こうボードが落下した(写真:苫小牧市)
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 和光中学校の校舎は、築55年の地上3階建て鉄筋コンクリート(RC)造。老朽化が進んでおり、15年6月下旬から既存躯体の外部に鋼製のブレースを取り付ける耐震補強工事を行ってきた〔写真2〕。

〔写真2〕外付けブレースによる耐震補強工事中に梁からグラウトが流入
〔写真2〕外付けブレースによる耐震補強工事中に梁からグラウトが流入
工事現場の外観。鉄骨ブレースと躯体の間に注入したグラウト材がひびを伝って天井裏に漏れた(写真:苫小牧市)
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 採用した工法は鉄骨アウトブレース工法と呼ばれ、既存躯体の梁にあと施工アンカーで鉄骨ブレースを取り付けて躯体と一体化するものだ。

 RC造耐震壁や枠付き鉄骨ブレースの新設といった工法と異なり、室内側での工事がほとんどない。教室を使いながら工事ができるため、長期休業期間に工事を完了できない全面的な耐震改修を行う場合に適している。補強による荷重の増加が少ないといったメリットもある。

 施工は藤建設工業・カツイ共同企業体(JV)が、設計・監理は渡辺建築設計が担当した。