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 海水のしぶきによって天井端部のアルミ製部材が腐食。固定がゆるんだ状態で強風を受け、天井板が落下した―。新潟市の「入船みなとタワー」で13年1月に起こった天井板落下事故の原因について、国土交通省北陸地方整備局新潟港湾・空港整備事務所は緊急点検調査の結果をまとめた。13年3月18日に発表した。

 天井板の落下が見つかったのは1月27日。「菱形塔」の下層部の天井(最高高さ約20m)から地上部の階段部分へ7枚の天井板が落下していた。天井板はアルミ製で、1枚の大きさは幅12cm、長さ200cm、厚さ0.1cm、重さは約800g。菱形塔は上層部がガラス張りの展望室、下層部が吹き抜け構造の半屋外空間で、下層部の天井は外気にさらされている〔写真1〕。

〔写真1〕高さ20mから落下
〔写真1〕高さ20mから落下
天井板が落下した入船みなとタワー菱形塔下層部の内観。半屋外の空間だ(写真:新潟県新潟地域振興局新潟港湾事務所)
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落下した天井板。アルミ製で1枚の重さは約800g(写真:新潟県新潟地域振興局新潟港湾事務所)
落下した天井板。アルミ製で1枚の重さは約800g(写真:新潟県新潟地域振興局新潟港湾事務所)
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 入船みなとタワーは信濃川河口部の左岸に位置する。信濃川を横断する新潟みなとトンネルの換気塔に展望室や大階段広場などを併設した施設だ。2002年3月に開業した。施設を煙突塔やエレベーター塔などに分散してボリューム感を抑えたデザインが特徴で、日本建築学会賞作品賞の候補となった〔写真2〕。

〔写真2〕トンネルの換気塔に展望室などを併設
〔写真2〕トンネルの換気塔に展望室などを併設
入船みなとタワーの外観。上層部がガラス張りの構造物が菱形塔。写真右が海側(写真:国土交通省北陸地方整備局新潟港湾・空港整備事務所)
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 設計者はデザインスタジオ建築設計室、ティ・アイ・エス・アンド・パートナーズで、新潟港沈埋トンネル立坑景観検討委員会が設計協力した。施工者は五洋建設・若築建設・本間組JV。 発注者は運輸省(現在の国土交通省)で、完成後の維持管理を新潟県が担当している。

 これまでの維持管理について、新潟県新潟地域振興局新潟港湾事務所の担当者は、「天井板について特に決まった点検方法はなく、日常の巡回点検の一環で目視をしていた。打音検査などは実施していなかった。目視点検では、目立ったさびや異常は見当たらなかった」と話す。