PR

 今や多くの企業や組織が導入している無線LAN。日々の業務になくてはならない存在だ。だが目に見えない電波が相手なので、快適に使える環境を構築するのが難しい。

 そこで本連載では、無線LAN環境を整える際に直面する疑問や課題を、三井情報の専門家に解説してもらう。

 三井情報は、ネットワークなどを検証するための大規模なラボ「MKI IDEA Lab.」を所有している(図1)。このラボでは、仮想的な無線LAN環境を構築し、そこで無線LANアクセスポイント(AP)や端末の性能を検証できる設備を保有。端末の台数や電波環境、距離などを、自在に変更できる。

 本連載では、このラボでの検証結果を基に、無線LANに関する素朴な疑問を解決する。第1回は、APの接続上限数に関する疑問に答えよう。(編集部)

図1●三井情報の「MKI IDEA Lab.」
図1●三井情報の「MKI IDEA Lab.」
東京都中野区東中野の同社の地下にある施設。このラボ内の無線LAN試験設備では、仮想的な無線LAN環境を構築し、無線LANアクセスポイント(AP)や端末の性能を検証できるようにしている。この設備では、端末の台数や電波環境、距離などを、自在に変更できる。
[画像のクリックで拡大表示]

 ユーザーや管理者からよく聞かれる質問の一つが、「1台のAPには、端末を何台までつなげることができますか」である。APには、接続できる端末数の上限が設けられている。企業向けAP製品のカタログには、その上限値が記載されている。「2.4GHz:XX端末、5GHz:XX端末」(XXは数字)といった具合に、周波数帯ごとに、接続可能な端末数が設定されている場合もある。

 例えば数年前の機種にはなるが、米シスコシステムズのAP製品である「Aironet 1702」のカタログには、上限値として「200端末/radio」と表記されている。しかし、実際に200台の端末が接続できるかどうか試した人は少ないだろう。そこで今回は、Aironet 1702に200台の端末を接続できるか実験してみた。

 200台もの端末を用意するのは大変なので、米キーサイト・テクノロジーの無線LAN用テストツール「IxVeriWave」を使用した。IxVeriWave上で仮想的な端末を200台動かして実験した。実験では、仮想端末のアンテナとAPを電波暗箱に入れて、外部の電波の影響を極力抑えた(図2)。電波暗箱とは、周囲の電波環境に影響されないよう設計および加工された装置(箱)。外部からの電波の影響を受けず、なおかつ外部に電波を漏らさず、内部で電波が反射しないように作られている。

図2●電波暗箱を使った実験の様子
図2●電波暗箱を使った実験の様子
MKI IDEA Lab.に設置した電波暗箱に、APと仮想端末のアンテナを入れて実験した。これにより、周囲の電波による影響を抑えた。
[画像のクリックで拡大表示]

 APのAironet 1702では、5GHz帯でIEEE 802.11nを利用する設定にし、40MHz幅とした。セキュリティはWPA2-PSK-AESを設定した。実験では、APに接続する仮想端末の台数を、10、50、100、そして200と増やしていった。すると、カタログに記載された仕様通りに、200台の仮想端末が接続できた。