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本記事は、日経エレクトロニクス(2013年2月18日号~2013年7月8日号)に掲載したものです。

測定者による測定誤差をなくす

 これら波形パラメータの値は、昔はオシロスコープに表示された波形の各点をもとにディスプレイ上に重ねた目盛板から読み取っていた。だが、目盛りを基準に人の目に頼って読み取る限り、高い精度や確度は望むべくも無かった。加えて、測定者のスキルによっても測定データが異なってしまい、誰でも正確に測定することは難しかった。

 こうした課題を解決すべく登場したのが、カーソル機能や自動測定機能だ。オシロスコープに表示された波形から、任意の点の電圧レベルや波形パラメータなどの解析結果が誰でも同じように得られるようになっている。

 このカーソル機能は、波形をなぞる「波形モード」と、ディスプレイのどの部分でもなぞれる「スクリーン・モード」がある(図2)。

図2 カーソル
図2 カーソル
カーソルには、「波形モード」と「スクリーン・モード」がある(a)。オシロスコープには、カーソルを操作するボタンやツマミがある(b)。
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 波形モードのカーソルは独立した2本の垂直線で構成される。オシロスコープに表示された波形と2本のカーソルが交差したそれぞれ2点の電圧レベルとこれらのレベル差、カーソル時間と2点間の経過時間がそれぞれ直読できる。これらの点は常に波形上にあるので、カーソルの操作は左右に動かすだけだ。もし、被測定信号が変化すれば電圧レベルも追従して変化する。

 スクリーン・モードのカーソルは独立した垂直2本と水平2本の計4本の直線で構成される。交差した対角の2点の電圧レベルとそれらのレベル差、カーソル時間と2点間の経過時間がそれぞれ直読できる。これらの点は波形に関係なくオシロスコープのディスプレイ上のどこにでも置くことができるので、自由度の高い測定が可能だ。

 オシロスコープの操作パネルには、カーソルを操作するための専用ボタンとツマミがある。カーソル機能を有効にすることでカーソルと呼ばれる2本の垂直線がオシロスコープに表示される。それぞれのカーソルに対応する汎用ツマミを回すことでこれらのカーソルが水平方向へ動く。この時のモードは、波形モードだ。

 これらのカーソルと、オシロスコープに表示された波形との交点の電圧レベルと時間が独立に表示される。波形の任意の点の電圧レベルを読み取るには汎用ツマミを回して所望の点に合わせるだけで事足りる。2本のカーソルは別々に動かすことができるため、別々の任意の2点を同時に読み取ることも可能だ。さらに、これらの2点間のレベル差や経過時間が同時に表示される。複雑な波形であっても、任意の2点間の電位差や時間などを誰でも正確に測定できるわけだ。レベル差や経過時間などを素早く把握したいときにはカーソルのボタンを押して汎用ツマミを回すだけでよい。

 スクリーン・モードに切り替えれば、ディスプレイ上のどこにでもカーソルを配置できる。垂直、水平各2本ずつ計4本のカーソルとそれらの交点の電圧レベルとカーソル時間、それらの差分を直読できる。スクリーン・モードのカーソルはディスプレイ上を自由自在に動くので、測定以外にも活用できる。例えば、測定レポートを作成する際の参考のための線として使う技術者もいる。いろいろな使い方が可能なので、ぜひ応用してほしい。