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日経Automotiveのメカニズム基礎解説「第7回::ESC(横滑り防止装置) 4輪のブレーキを個別に制御、車両を安定させる」の転載記事となります。

車両の横滑りを防止するESC(横滑り防止装置)。最近、車両の価値を高める手段としてESCが存在感を高めている。車両の横滑りを防ぐだけでなく、坂道発進支援や衝突被害軽減ブレーキなどにも使えるからだ。搭載が義務化され、ESCはクルマに欠かせない装置になっている。

 ここ10年ほどの間における、クルマの電子制御の複雑ぶり、高度ぶりは目覚ましいものがある。ブレーキシステムは単にクルマを減速/停止させる装置から、様々な制御を加えることで高度化してきている。

 その高度化を支える代表的な部品がESCである。ESCは、横滑りを防止して車両を安定化させるだけでなく、必要に応じてアクチュエーターである電動油圧ユニットでブレーキ圧を作り出し、4輪を個別に制動させる機能を担っている(図1)

図1 ESCの搭載で様々な機能を実現できる
図1 ESCの搭載で様々な機能を実現できる
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 ESCの名称は、ESP、DTC、VDC、VSC─と、自動車メーカーにより様々だが、基本的な働き、制御のメカニズムは変わらない。

 日本へのESC導入は、欧米に比べて遅れていたが、2014年10月以降、国内のすべての乗用車にESCの装着が義務化されている。軽自動車の継続生産車についても2018年2月24日以降、義務化される予定だ。

 例えば、スズキは2014年12月に発売した、軽乗用車で最も価格を抑えた新型「アルト」(84万7800円から)にESCを標準搭載した。低価格の軽自動車にまで搭載されたことでESCはクルマの基本機能になったともいえる。