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消えかけたトロイダルCVT

 トロイダルCVTは、向き合う鼓型プーリーに角度を変化できるパワーローラーを組み合わせる。パワーローラーの角度で減速比を変える仕組みだ。ローラーとディスクの間には専用オイルが介在し、オイルが圧力により固体化することで摩擦力を発生させている。

 構造としては非常に効率が高い無段変速機だが、金属ベルトやチェーンに比べ高い精度が要求されるため、製造コストが大幅に高くなる。かつては日産自動車が日本精工や出光興産と開発に挑み、高級車に搭載した(図3)。1999年に日産の「セドリック」「グロリア」、2002年に「スカイライン」に積んで市販したが、1代限りで消えた。車種によっては100万円以上高かったことが短命の理由だったことは間違いない。

図3 ハーフトロイダルCVTの仕組み
図3 ハーフトロイダルCVTの仕組み
(a)日本精工のハーフトロイダルCVT向けの「パワースロットユニット」。(b)入力側と出力側のディスクの間に摩擦によって駆動力を伝えるローラーがあり、このローラーの角度を変化させることで、入出力のディスクと接する位置が変わり、減速比が変化する。
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 だが、日本精工はその後も開発を続けており、FF(前部エンジン・前輪駆動)車に積めるトロイダルCVTのバリエーターを発表している。