全2014文字

 日本マイクロソフト(日本MS)が政府や地方自治体向け事業の強化に急ピッチで取り組んでいる。クラウドサービス提供だけでなく、サービスユーザーである組織のデジタル人材育成や組織改革などデジタルトランスフォーメーション(DX)支援にまで踏み込むことで、米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス=AWS)を追撃する考えだ。

 日本MSは2019年9月24日に、政府や自治体のデジタル推進に向けて「デジタル・ガバメント統括本部」を新設したと発表。2020年11月25日に開催した政府・自治体向け事業の戦略説明会では、木村靖業務執行役員デジタル・ガバメント統括本部長はこの1年で政府や自治体で手掛けた事例を紹介したうえで、「デジタル庁発足に当たって一層力を入れていく」と力を込めた。

コロナ感染者情報管理システムを3週間で開発

 政府や自治体のDX推進を加速したのがコロナ禍だ。日本MSは内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進本部との間で官民連携プロジェクトの協定を締結したほか、神戸市ともコロナ対策の業務効率化などで連携した。

 自治体職員のテレワークやウェブ会議の環境構築のほか、政府のデータ管理基盤をアジャイルで開発。「短期間で実現することで、政府や自治体との連携の機運が高まった」と木村統括本部長は振り返る。

 例えば、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」は、アジャイル開発とDevOpsを適用し開発から3週間で納品にこぎ着けた。「開発、展開、フィードバックというループを毎週のように回し、改善し続けてきた」(木村統括本部長)。HER-SYSは2020年5月17日から試験稼働し、修正を経て同月29日から一部保健所で本稼働した。

「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」の開発
「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」の開発
出所:日本マイクロソフト
[画像のクリックで拡大表示]