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本記事は、日経アーキテクチュアの2018年11月22日号に掲載した「フォーカス住宅」の記事を再編集したものです。

リビング・ダイニング・キッチンと3つの個室があったマンション住戸を1ルーム化した改修例だ。広々とした室内でプライベート空間と共用空間を曲面壁「やわらかウォール」が緩やかに仕切っている。上層階の角部屋で3方に連なる開口部からは外光がふんだんに入り、全体が明るく開放的だ。

 築30年を経た鉄筋コンクリート(RC)造の分譲マンションで、住戸をリノベーションした事例だ〔写真1〕。最寄りの私鉄駅から徒歩数分、旧街道沿いに立つ5階建ての建物で、この住戸は4階南西端にある角部屋。住戸の延べ面積(専有面積)は約80m2だ。改修前は、テラス側のリビング・ダイニング・キッチン(LDK)から玄関に向けて3つの個室が並び、廊下でつながっていた〔写真2〕。

〔写真1〕空間を緩やかに線引き
〔写真1〕空間を緩やかに線引き
南東側から望む。玄関手前の「やわらかウォール」がプライベート空間と共有空間を緩やかに線引き(写真:浅田 美浩)
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〔写真2〕既存の間仕切りを除去
改修前。キッチンの左手に見える既存の廊下は、暗い空間だった。(写真:住まい手)
改修前。キッチンの左手に見える既存の廊下は、暗い空間だった。(写真:住まい手)
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既存内装の撤去時。 梁・柱の取り合いなど躯体形状も改修後の意匠に生かした(写真:御手洗龍建築設計事務所)
既存内装の撤去時。 梁・柱の取り合いなど躯体形状も改修後の意匠に生かした(写真:御手洗龍建築設計事務所)
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 住まい手は建築関係の仕事をそれぞれ手掛ける若い夫婦とその幼児の3人家族で、改修前提で中古物件として購入した。都心に近い立地ながら、周辺は戸建て住宅を中心に低層建築が集積し、生産緑地や公園も点在する。この住戸からも、少し離れた鉄道高架やさらに遠くの高層ビルまで、広々とした眺めを楽しめる。