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本記事は、日経アーキテクチュアの2019年7月25日号に掲載した「フォーカス住宅」の記事を再編集したものです。
「駅近」という利便性はなくても、郊外の地域性を生かした賃貸住宅には入居希望者が集まる。誰でも通り抜けられる路地や屋根付きの広場、玄関前のポーチは、近隣も含めた住民同士の交流の場となっている。
1日に延べ約40万人が利用する主要駅、藤沢駅から徒歩20分ほど。古くからの民家や畑地が点在する敷地周辺は、かつての里山から近郊の住宅地へと風景を変えつつある。
3期に分けて建設が進む賃貸集合住宅「鵠ノ杜(くげのもり)舎」の敷地も、以前は畑だった。地主が代々受け継いできた土地の一部を相続対策で手放した。
その敷地で鵠ノ杜舎の事業を取りまとめるのは、湘南エリアで不動産事業を展開する丸山アーバン(藤沢市)だ。グループ会社とともに土地取得から建設、運営管理までを手掛ける。今年2月までに木造2階建ての2棟、計24戸が完成した〔写真1〕。