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 ドイツ・ニュルンベルクで開催の組み込み関連の国際展示会「embedded world 2018」(2月27日~3月1日)において、米Texas Instruments社は報道機関向け発表会を開き、新製品を中心に紹介した。登壇したのは、同社のRay Upton氏(Vice President, Connected Microcontroller)である。

Ray Upton氏。日経 xTECHが撮影
Ray Upton氏。日経 xTECHが撮影
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 同氏は昨年(embedded world 2017)の報道機関向け発表会にも登壇している(関連記事1)。昨年の発表会では、TIがIoT機器に向けたMCUと無線通信用ICを扱う部門を統合し、新たな部門「Connected Microcontroller」を設立したことを説明した。同氏は同部門の責任者になり、昨年の発表会では、IoT向け通信IC/MCUのブランドとして「SimpleLink」を再定義し、同ブランドのMCUである「SimpleLink MCU」の2製品を発表した。このように昨年は、通信を中心にした発表だった。

「接続(connect)」、「センシングと測定(Sense & Measure)」、「演算と制御(Process & Control)」の3つすべてで新製品を発表。TIのスライド
「接続(connect)」、「センシングと測定(Sense & Measure)」、「演算と制御(Process & Control)」の3つすべてで新製品を発表。TIのスライド
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 今年は、通信を「接続(connect)」と呼び替え、さらに、「センシングと測定(Sense & Measure)」、「演算と制御(Process & Control)」の2つを加えた。これら3つで実現する対象を自律システムであるとした。IoTの解釈はさまざまだが、場合によっては、ヒトの判断の支援が目的とする場合がある。一方で今回Upton氏が示した自律システムは情報を収集し、自動的に処理する。ヒトの手を借りずに、システムが自動的に最適動作することを目指す。

 Upton氏は言う。「接続、センシングと測定、演算と制御の3つすべてを支援できる半導体を1社で提供できるのは、我々だけだ」(同氏)。20年以上の蓄積がそれを可能にしたと同氏は続けて述べた。TIが狙う自律システムの応用分野は、産業と自動車を優先するとしていた。