米Silicon Laboratories(Silicon Labs)社は、ドイツ・ニュルンベルクで開催された「embedded world 2018」(2月27日~3月1日)において、電池駆動型のIoT機器に向けて、低消費電力なWiFiトランシーバーICなどを発表した。同社ブースで、President and Chief Executive OfficerのTyson Tuttle氏から話を聞いた。

Tyson Tuttle氏。日経 xTECHが撮影。
Tyson Tuttle氏。日経 xTECHが撮影。
[画像のクリックで拡大表示]

 IoTではさまざまな通信方式が利用される。Tuttle氏によれば、WiFiはセキュリティーがしっかりしているため、電池駆動のエッジやエンドノード機器でも使いたいという要望が多いという。しかし、これまでのWiFi接続用の半導体は消費電力が大きいため、導入をためらうケースが少なくなかったとする。

トランシーバーICの「WF200」の概要
トランシーバーICの「WF200」の概要
[画像のクリックで拡大表示]
トランシーバーモジュールの「WFM200」の概要
トランシーバーモジュールの「WFM200」の概要
[画像のクリックで拡大表示]
ホストマイコンとセキュアーに接続可能
ホストマイコンとセキュアーに接続可能
[画像のクリックで拡大表示]
今回発表のWiFiトランシーバー。いずれもSilicon Labsのスライド

 そこで、今回、ホームオートメーションや小売店、監視カメラ、小型医療機器などを狙って、消費電力が低いことが特徴なWiFiトランシーバーIC「WF200」と、WF200とチップアンテナ、水晶発振器を1パッケージに収めたWiFiトランシーバーモジュール「WFM200」を発表した(ニュースリリース1)。どちらも、ホストのマイコンなどと組み合わせて使う、いわゆるコンパニオンチップである。「今回の新製品を使うことで、WiFi接続の機器の消費電力を半減できる」(Tuttle氏)。

 新製品の送信時消費電流は138 mA、受信時消費電流は48 mA、Wi-Fi 消費電流(DTIM = 3)は平均 200 μAと低い。リンクバジェットは115 dBm。2.4 GHz のRF回路を備え、IEEE 802.11 b/g/nに対応する。セキュアーブートやセキュアーデバッグ、ホストとのセキュー通信を可能にするセキュリティー機能を備える。大きさはトランシーバーICのWF200が4mm×4mm(32ピンQFNパッケージ封止)、トランシーバーモジュールのWFM200が 6.5 mm× 6.5 mm (52ピンLGAパッケージ封止)と小さい。

評価ボード上のWiFiトランシーバーモジュールの「WFM200」(赤丸で囲んでいるパッケージ)。その左は1ユーロ・セント・コイン。日経 xTECHが撮影。
評価ボード上のWiFiトランシーバーモジュールの「WFM200」(赤丸で囲んでいるパッケージ)。その左は1ユーロ・セント・コイン。日経 xTECHが撮影。
[画像のクリックで拡大表示]

 現在、WF200とWFM200は特定顧客向けにサンプル出荷中。量産出荷は2018年第4四半期を予定している。日本を含む各国/地域の電波法に対して認証を取得する予定。