米National Instruments(NI)社は、計測制御コントローラー「CompactRIO Controller」の新製品として「cRIO-9040シリーズ」を発表した(ニュースリリース)。同社は、ドイツ・ニュルンベルクで開催の国際展示会「embedded world 2018」(2月27日~3月1日)において、今回の新製品に関する報道機関向け発表会を行った。
発表会に登壇したNIのSunaina Kavi氏(Product Marketing Manager)によれば、今回の製品に関する主な新機能は2つある。第1は、NIのデータ収集デバイスの標準APIの「NI-DAQmx」を使って、プログラミングできるようになったこと。NI-DAQmxは、15年以上にわたり技術者や研究者に活用されて、NIデータ収集デバイスの性能を最大限に引き出してきたという。しかし、旧バージョンのCompactRIO Controllerの場合は、プログラミングにNI-DAQmxが利用できなかった。これが、CompactRIOの導入の壁になることもあったという。今回、こうした事態が改善した。
第2の新機能としては、標準Ethernetの拡張規格である「IEEE 802.1 TSN(Time Sensitive Networking)」への対応を同氏は挙げた。これにより、標準Ethernet網を用いても、確定性の高いコントローラ間同期が実現できるようになる。例えば、大型の産業用機械の状態監視や、工場内に分散設置された装置に対する計測制御などにおいて、複数のCompactRIO Controller間で同期を取ることが容易になるという。
なお、新製品を含めてCompactRIO Controllerには「内蔵のFPGAを使って高速演算が行える」という特徴があるが、この内蔵FPGAのプログラミングにはNI-DAQmxは使えない。従来手法でのFPGAプログラミングが必要である。