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  NTTドコモはスペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2018(MWC2018)」において、5G(第5世代移動通信システム)ではパートナーと新しいビジネスやサービスを創ることが重要だと強調した。5Gへの意気込みを、MWC会場で吉沢和弘社長に聞いた。(聞き手は山崎 洋一=日経 xTECH

NTTドコモの吉沢和弘社長
NTTドコモの吉沢和弘社長

今回のMWC2018を見て、5Gへの機運の高まりをどう感じているか。

 当社のブース周辺(大手の通信事業者や通信機器ベンダーなどがブースを構える)は、基本的に5G一色に近い。昨年のMWCに比べると、2017年12月に5Gの標準化が一つの形となったこともあり、通信事業者も通信機器ベンダーも力が入っていると感じる。

5Gに関する話題は様々だが、その中で注目すべきキーワードは。

 通信事業者の間では「ユースケース」がキーワードになっている。5Gの特徴である高速・低遅延・多数接続をビジネスにどう生かすか。今回は昨年に比べ、ユースケースが広がってきている。

 ユースケースを確立してマネタイズにつなげるという点において、今は岐路に差し掛かっている。当社のブースではロボットや建設機械、ジオスタといったユースケースを展示しており、こうしたものが広がれば実際のサービスにつながっていくだろう。他社のブースで、ドローンを飛ばす信号を5Gで送ってリアルタイムに遠隔操作するものがあったが、これも一つのユースケースだ。

 5Gと融合できるビジネスで相当大きいのは自動車分野。当社も自動運転と5Gの連携に取り組んでおり、韓国のSK TelecomとKTは平昌で自動運転のトライアルを実施している。自動運転は高いセキュリティをエッジ部分で完全に確保するなど、5Gが一番活用される部分だ。マーケットとして最も大きな領域だろう。エッジに関しては、トヨタ自動車やインテルなどとコンソーシアム(Automotive Edge Computing Consortium)を立ち上げた。 

5Gの商用サービスはいつ開始する予定か。どのようなサービスを実現したいと考えているのか。

 2020年、具体的に何月とまでは言えないが、できるだけ早い時期、できれば東京オリンピック・パラリンピックの前までにサービスを始めたい。

 東京オリンピック・パラリンピックを見据えると、スタジアムソリューションのようなものを実現したい。例えばブロードキャストではなく、ユーザーの一人ひとりに合わせた、リプレイや特定選手の動きをクローズアップして見られるような高精細な映像サービスがあり得るだろう。離れた場所でも見られる。選手目線の映像を配信するサービスも登場するかもしれない。

 ライブ中継でも、高臨場感の映像や、様々な角度からの映像などを提供したいと思っている。観客席に360度カメラを置き、VR(仮想現実)を組み合わせれば、振り返ると観客がワーッとなっているような、ものすごく臨場感のある映像を遠隔地で見られるだろう。こうした技術はだいぶできており、NTTグループとしても視聴スタイルのようなものを研究している。映像信号については上りの通信をかなり使うことになると思うが、高臨場感の映像と音を含め、ぜひ実現したい。

そうなると、5G商用サービスの提供エリアはオリンピック会場からということになりそうか。

 オリンピックというのはあるだろうが、必ずしもオリンピックだけをターゲットにしているわけではない。法人向けに関しては、基本的にビジネスとしてのニーズがあるところでも提供していく。この点で、サービス開始当初の提供エリアは3Gや4Gと違ってくるかもしれない。例えば、建設現場や工事現場に多数のカメラを配置して、その映像を見て遠隔から人の動きなどを全部捉えるようなニーズが出てくるだろう。実際に今、コマツなどと「LANDLOG」というプラットフォームを作っているところだ。

 ニーズという観点からは、「5Gトライアルサイト」を法人パートナーと展開している。パートナーは現在15社程度で、まさにユースケースを作っている。ほかにも5Gに関心がある、何かやってみたいという企業を募る「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」を始めた。既に600超の参加があり、期待を感じている。自社の特徴を生かしたビジネスは必ずや何かできると思う。我々はそこを支援するし、プラットフォームもオープンにするので活用してほしい。

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