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 国民体育大会への「文化プログラム」としての参加やプロライセンス発行、統一的競技団体の設立など、日本でも「eスポーツ」への関心が高まる。eスポーツのプロ選手マネジメントなどを手がけるPro eSports Team DetonatioN Gaming CEO(最高経営責任者)でSun-Gence代表取締役の梅崎伸幸氏と、「福岡ゲーム都市宣言」を掲げる福岡市で福岡アジア都市研究所調整係長を務める中島賢一氏が、eスポーツの現状や社会に与える影響について意見を交わした。

福岡アジア都市研究所調整係長の中島賢一氏(左)とPro eSports Team DetonatioN Gaming CEO(最高経営責任者)でSun-Gence代表取締役の梅崎伸幸氏(右)
福岡アジア都市研究所調整係長の中島賢一氏(左)とPro eSports Team DetonatioN Gaming CEO(最高経営責任者)でSun-Gence代表取締役の梅崎伸幸氏(右)
写真:中馬 修
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 両氏が対談したのは、5月24、25日に福岡国際会議場で開催しているICTの総合展「Cloud Days 九州 2018」のキーノート「eスポーツの今と未来」だ。デジタルゲームによる競技大会にプロライセンスを持った選手が挑み、賞金を懸けて競うeスポーツは、グローバルでは賞金総額が100億円を超える大規模な大会が開催され、競技人口が1億3000万人にも上るなど、既に巨大な市場が存在する。

 今後、日本でもeスポーツ市場が拡大する可能性がある。その際、eスポーツの拡大は、周囲にも様々なインパクトを社会にもたらすと両氏は指摘する。

 梅崎氏は1つの例として、次世代移動通信の5Gへのインパクトを挙げる。「一般のユーザーは現状の4Gでも不満はないだろうが、eスポーツの世界では100分の1秒レベルの遅延が勝負を分けることがある。eスポーツの選手の活躍が、5Gの普及を後押しするかもしれない」(梅崎氏)。

 さらに同氏は、eスポーツへの注目が高まるにつれ、芸能事務所がプロ選手と契約するなど芸能分野に新たな市場が生まれる、あるいはゲームの内容がパッケージ中心ではなくeスポーツに向く課金型へのシフトが加速する、といった変化を予測する。

 中島氏は、ゲームを通じた新たなコミュニケーションに注目していると話す。同氏は以前、沖縄で行われたドッジボールのイベントに参加。リアルのドッジボールとバーチャルのドッジボールを融合したイベントで、いつもはゲームに没頭しがちな子供が、リアルのドッジボールの選手たちと楽しく会話する様子が見られたという。「人とコミュニケーションする一歩として有効だと実感した」(中島氏)。

 梅崎氏は「産業社会が作り出したのがモータースポーツならば、情報社会が作り出したのはeスポーツ」と指摘。「ゲームやコスプレも、登場した時は冷ややかな目で見られたが、今では立派な1つの産業と化している。eスポーツも、やがてはスポーツとして認識されるようになるだろう」と語った。