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 独Robert Bosch(ボッシュ)社は、自動運転の画像認識などでの用途を想定して、高い信頼性のDNN(Deep Neural Network)を低コストで実現する手法を開発した。同社はこの手法について、ドイツ・ドレスデンで開催中の電子設計・テスト技術に関する国際学会「2018 Design, Automation & Test in Europe:DATE 18」(3月19日~22日)において口頭発表した。

Christoph Schorn氏。日経 xTECHが撮影
Christoph Schorn氏。日経 xTECHが撮影

 今回の手法は独RWTH Aachen UniversityとBoschが共同で開発したもので、発表者は双方に所属するChristoph Schorn氏。講演タイトルは「Accurate Neuron Resilience Prediction for a Flexible Reliability Management in Neural Network Accelerators」(講演番号 8.4.2)である。DNN中のニューロンの「Resilience」(ノイズなどを受けた状態からの回復力:以下、回復力)を解析し、回復力の弱いニューロンには信頼性の高いハードウエア(例えば、多重化したハードウエアで、ハードウエアのコストが大きい)を割りあてる。そのほかのニューロンは通常のハードウエアを割り当てる。これでハードウエアのコストの増大を抑えながら、高い信頼性を実現する。

DNN全体を多重化すると(左)と回路が大きくなりすぎる。弱いニューロンだけを保護された回路にマッピングして、高信頼性と低コストの両立を狙う(右)。Boschのスライド
DNN全体を多重化すると(左)と回路が大きくなりすぎる。弱いニューロンだけを保護された回路にマッピングして、高信頼性と低コストの両立を狙う(右)。Boschのスライド
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